中世ヨーロッパにタイムスリップ ドイツ・エスリンゲンのクリスマスマーケット
朝方肌寒くなって、日によっては起きて毛布を引き寄せるような時期になってきた。
暖かいお茶を入れて、記憶を思い出して味わいながら、文章を書くことの幸せよなあ。
冬の楽しみの一つと言えばクリスマスマーケット。ドイツはクリスマスマーケット発祥の地で、いろんな都市で個性豊かなマーケットが開催されている。有名なのはシュトゥットガルト、ニュルンベルク、ドレスデンなど、どれも大都市だ。
私はどちらかというと小さいのに惹かれるタイプなので、そういうのはないかと調べていると、ちょうどかわいいのがあった。それが、エスリンゲンのクリスマスマーケット。中世の雰囲気を再現した、まさに世界でここだけのマーケットだ。
それでいながらアクセスもいい。シュトゥットガルトから電車で20分。王道・世界最大のシュトゥットガルトのマーケットと、唯一無二・中世風のエスリンゲンのマーケットを一日で両方楽しめる。
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エスリンゲンは、街自体がとてもかわいかった。ネッカー川に沿うように街があり、旧市街の中にもその支流が流れていて、雰囲気がとてもよい。
駅を降りてまっすぐ歩くと橋があり、そこを渡ると旧市街だ。川の中洲に木組みの家が建ち、後ろにはとがった教会の尖塔。入口からもうわくわくする。
旧市街では、中世のマーケットと現代風のマーケットと両方が開催されていて、まず最初に現代風のマーケットが見えてくる。おなじみのグリューワインスタンドや、かわいいお店たち。街そのものが中世の雰囲気なので、現代風のマーケットも日本人にとってはおとぎ話みたいだ。普通に立っている枯れ木すら、なんだか味がある。
木彫りの人形のからくり塔や、マーケットおなじみ回転木馬もあった。
歩いていると木彫りの動物たちのお店があったので、自分用のお土産に、水色の子を買った。「この馬をください」と言ったら、「Eselだよ」と返ってきたけど、Eselが何かわからない。あとで調べてみると、ロバらしい。単語たくさんマスターしたいなあと改めて思った。
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現代風のマーケットにすでに満足しながら、道なりに奥に進んでいくと、やぐらが見えてきた。メイン・中世のマーケットの入口がここらしい。入口からザ・中世という感じでテンションが上がる。
(ちなみに黒い鷲の旗は、エスリンゲンの旗だ。黒い鷲、ほかでも見たなあと思ったら、ドイツ国章、オーストリアの国章やシュレジェンの紋章も黒い鷲だった。はじまりは神聖ローマ帝国の紋章なのかな? こういうとき、ヨーロッパの歴史を知りたいなと思う。)
入口をくぐると、雰囲気ががらりと変わった。木組みの古めかしげな屋台に、スタッフの人たちも中世風の服装をしている。売られているものももう一つのマーケットとは違って、石のアクセサリーに毛皮、角笛やら木を削って作った弓矢まであった。なんかちょっと狩りに行けそうだ(特に弓矢とか、誰か本当に買うのだろうか?) ちなみにグリューワインも土器で提供されていた。
面白いなと思ったのは、中世風の遊園地コーナーだ。観覧車や回転ブランコが中世バージョンになっていた。木でできていて、動力源は人力手回し。スタッフさんは気まぐれに歌ってBGM役(?)もこなしていた。
最初の遊具ってこんな感じだったのかと思うとびっくりするし、なんだか見ているだけでも面白い。
イベントコーナーでは火吹き男が火を吹いて、子供たちが盛り上がっていた。はしからはしまで中世だ、本当に。大体3時間くらいだったけど大満足のマーケットだった。
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帰りにシュトゥットガルトのクリスマスマーケットに立ち寄ると、やっぱり大きかった。エスリンゲンのマーケットに行ってからだと、その大きさがとてもよくわかる。
まず街からしてでかいし道が広い。店の数もめちゃめちゃたくさんあって、とても全部は回り切れなかった。ちなみにマーケットは大きな公園に面していて、(現代の)観覧車もある。
色んなお店をみて回ってクリスマスアイテムを探すならシュトゥットガルト、おとぎ話の雰囲気を味わうならエスリンゲンがよさそうだった。それにしても、電車で20分で両方楽しめるって素晴らしい立地だ。
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