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『Augusta Camp 2023 ~SUKIMASWITCH 20th Anniversary~ powered by 360 Reality Audio』
『Augusta Camp 2023 ~SUKIMASWITCH 20th Anniversary~ powered by 360 Reality Audio』
9/23に行われたオーガスタキャンプ(オーキャン)に参戦しました。
感想を一言で表すなら
スキマスイッチすごい
今年のオーキャンはスキマスイッチ20周年を祝うもの。全アーティストがそれぞれ1曲ずつスキマスイッチの曲をカバーしたり、スキマスイッチとセッションしたりと祝福ムードたっぷり。
もちろんスキマスイッチの出番も多く、その中でスキマスイッチの幅の広さを見せつけられました。
なんとなく知ってるつもりでしたが、今回改めて色々な曲を聴いて詩の内容、曲調、世界観の振り幅の大きさを感じることができました。
音楽の知識が乏しすぎて上手く表現できないのが悔しいですが、とにかくすごい!
これが全体的な感想です。
ここからは各アーティストについての感想を書いていきます。
ほぼ登場順です。
松室政哉
「LINE」(スキマスイッチのカバー」
「愛だけは間違いないからね」
私がもっと広まってほしいと思ってるシンガーソングライター。
1曲目のスキマスイッチに続いての登場で、実質ここから第1部が始まった。
「LINE」のイントロが流れた瞬間、「おお!」と会場からどよめきが。
各アーティストがスキマスイッチのカバーをするということは事前に発表されていたので、何を歌うんだろうとワクワクしていましたけど、「そう来たか!」と私もどよめいた1人。(根拠はないけどバラード系を予想してた)
めちゃくちゃ良かった。
曲が進むにつれて会場のボルテージが上がっていく感じがした。
「今年のオーキャンはこういう感じでいきますよ」って示したくれたようにも感じたし、他のアーティストが何をどう歌うのか期待値も上げてくれた。
そして続く「愛だけは間違いないからね」。
多幸感に溢れた曲でさらに会場を盛り上げてくれた。
個人的に嬉しかったのは、ムロくんの出番で立ってくれる人が増えたこと。
聴き方は人それぞれだけど、私は立って聴くのは興味の表れでもあると思っていて。私が初めて行った2018年のオーキャン(ムロくんのデビュー2年目)ではアップチューンでも立ってくれる人はそれほど多くなくて、立つと目立つくらいだった。
それが今回はほぼ全員立っていました。
デビュー少し前からムロくんファンだった私は、「やっとムロくんの魅力をみんなわかってきてくれたのね」と感慨深かった。
さかいゆう
「螺旋(らせん)」スキマスイッチのカバー
「君と僕の挽歌」
スキマスイッチオリジナルの「螺旋(らせん)」もおしゃれなんだけど、さかいさんが歌うと違うおしゃれ感が出る。ちょっとドレスアップしてライブレストランで聴きたい感じ。
さかいさんって話してる時は割とおちゃらけてるけど、歌ってる時はめちゃくちゃかっこいい。そのギャップが魅力の1つだと思う。
「君と僕の挽歌」は名曲。
今年も聴けて嬉しかった。「今年こそは泣かずに聴くぞ」って思うのに、やっぱり泣いてしまう。
色んな人の心に届く曲。
去年も歌ってくれた時、さかいさんが最後の歌詞を「来年も再来年もまた普通にオーキャンができるといいな」に変えていたことを思い出した。
ライブができるって当たり前じゃないってもう忘れかけてたけど、改めて今特別な時間を過ごさせてもらっているんだって気づかせてくれた。
元ちとせ
「暁の鐘」
「雫」(スキマスイッチのカバー)
「蛍星」(第2部)
ちとせさんの大地にどっしりと根付いたような声が心地いい。
ちとせさんが歌い始めると空気が変わる気がするんですよね。奄美の空気を連れてきてくれているのか、民謡の歌い方も取り入れた独特な歌い方に引き込まれるのか。
「雫」はスキマスイッチとのセッション。
ちとせさんと卓弥さんのハモリは初めて聴いたけど、よかったなあ。
「蛍星」はお手洗いに行っていたため聴けず…
(人数に対してトイレの数少なすぎるのよ…)
長澤知之
「渋谷のスーパーラット」
「風がめくるページ」(スキマスイッチのカバー)
「カスミソウ」(第2部 シンタさんとのセッション)
さかいさん、ちとせさんでしっとりした空気を「渋谷のスーパーラット」でまた上げさせた。
君は善人面でいたいけど
ほんとはリスクにビビってるだけ
この歌詞にやられた。それまでノリノリで聴いてたのに突然刺してきた。
長澤さんの曲って、人の痛いところをついてきたりえぐってきたりするものも多いと私は思っていて、これが長澤さんだよなぁって改めて感じた。
「風がめくるページ」は意外でどんな感じになるのかわからなかった。
聴いてみると、長澤さんの優しくて柔らかい部分に触れられた気がした。
「カスミソウ」は会場全体が聴き入っている感じがした。
シンタさんが「長澤の歌が始まると会場がシーンとするのが好きなんだよね」と言ってたように、長澤さんの声は人を引き込む。
岡本定義(COIL)
「惑星タイマー」(スキマスイッチのカバー)
「夏はこれからだ!」
「雨天決行」(第2部 スキマスイッチとのセッション)
「ラヴィン・フルーツフル~恋する果実~」(第2部 スキマスイッチとのセッション)
「スキマスイッチは難しくて歌いこなせないけど、この曲なら僕にも歌えるかなと思って」と選曲理由を話してくれた「惑星タイマー」。
スキマスイッチが福耳(オーガスタのアーティストから成るユニット)に作った曲。
次の「夏はこれからだ!」はサダさんが福耳に作った曲。
2曲ともアレンジが原曲と違くて、でもめちゃくちゃかっこよくて新たか魅力を感じた。
あらきゆうこ
リリースされていない英語の曲
「君に告げる」(スキマスイッチのカバー)
ドラマーのゆうこさん。
ドラムを叩いてる時はかっこいいけど、歌ってる時は妖精さんみたいに可愛らしい。
1曲目では卓弥さんがドラムを叩いた。
その姿を見て少し煽りながらも優しく見守るゆうこさん。微笑ましい光景だったな。
「君に告げる」を歌い終わった瞬間に太陽が顔を覗かせてくれて、奇跡のようだった。
浜端ヨウヘイ
「飲みにこないか」(スキマスイッチのカバー)
「ただそれだけのうた」
「飲みにこないか」はヨウヘイさんがカラオケで1番歌うスキマスイッチの曲らしい。お酒好きのヨウヘイっぽい選曲だなと思った。
明るい曲調とは一転、「ただそれだけのうた」は弾き語りでしっとりと。
「手の届く範囲の人のことを想って書いた曲」とヨウヘイさんは言っていたけど、屋外でのびやかに優しく歌われて、どこまでも届きそうだった。
会場のたくさんの人に向けて歌われても、大勢に大きなライトを当ててまとめて照らすのではなく、一人一人にスポットライトを当てて歌ってくれているように感じられた。
一言ひとことが体に染み込んで、終わった後、思わず「いい曲だなぁ」とつぶやいてしまった。
杏子
「The Black Knight」
「キレイだ」(スキマスイッチのカバー)
オーガスタの長女、杏子さん。
杏子さんがいなかったらオーガスタもなかった。
オーガスタの初まりのアーティスト。
1番元気!
年齢を知った時は驚いて、しばらく思考停止した。それくらい声量があって、パフォーマンスもパワフル。
もうかっこいいの一言。
姐さん…!と言いたくなる。
けれど話している時はおちゃめで少しおっちょこちょいなところもあるのが魅力的。
竹原ピストル
「東京」(スキマスイッチのカバー)
「Forever Young」
全身全霊で歌ってる姿がかっこいい。
「ピストル」という名前とは裏腹に、話している時はシャイで謙虚で穏やか。歌うと人の心を撃ってくる。
「Forever Young」の最後に「ポエムを読みます」とギターを弾かず、ただただ声だけで届けられた詩。
その力強い声と詩の内容に瞬きも息をするのも忘れるくらい惹きつけられた。
秦基博
「ひまわりの約束」
「虹が消えた日」
「Revival」(スキマスイッチのカバー&スキマスイッチとのセッション)
「Life is Art!」
「イカロス」
私はオーガスタの中で秦さんが1番好きで、秦さんをきっかけにオーガスタも好きになった。
だから本当はこんなこと書きたくない。
けど、今回の秦さんのパフォーマンスを「良かった」とは言えない。
1曲目から声は全然出ないし苦しそうだった。前日の前夜祭で大雨に濡れて体調を崩したのかなと心配になるくらいだった。
今までのライブでも曲中に声を出しづらそうにしていたり音程がずれることはあった。
私は秦さん贔屓だし、それもライブ感だと思っているけれど、今回は全曲通してそんな感じで聴いているこっちも苦しくなった。
特に「Revival」は卓弥さんとどうしても比較してしまったし、卓弥さんも秦さんの様子を見ながら歌ってる感じがした。
秦さんと卓弥さんの声は全然違うけど2人合わさるとすごくきれいで、私はこの2人の組み合わせは最強だと思ってる。
そんな2人の「Revival」を聴きたかったよ…
秦さんに何があったのかはわからないから「プロのくせに!」なんて責めるつもりは全くない。
曲の間のMCの「先輩達の姿を見て僕も頑張ろうと…頑張ります」という言葉で本人も納得してないんだろうなというのが伝わってきた。
そんな悔しさを表情に出さずに、投げやりにならずに歌い切ったのは私は素敵だと思う。
ただただ悔しかった。悔しくて最後の曲が終わった後に涙が出てきた。
今回初めて秦さんの歌声を生で聴いた人もいるはず。もしかしたらその人が「なんだ。秦基博って大したことないじゃん」って思うかもしれない。
それが悔しかった。
こんな、もんじゃないんだよって叫びたかった。
いつかまたベストな状態で「Revival」を卓弥さんと歌ってほしいし、秦さんの魅力を見せつけてほしい。
山崎まさよし
「アドレナリン」
「真夜中のBoon Boon」
「されど愛しき人生」(スキマスイッチのカバー&スキマスイッチとのセッション」
「僕はここにいる」
「世界の果てまでありがとう」
オーガスタの長男。
飄々と歌って演奏する姿が渋い。かっこいい…。
「されど愛しき人生」はスキマスイッチよりも長く生きている山さんが歌うことで、さらに深みが増したというか、説得力が出た気がする。
私は秦さんのショックを引きずって最初の2曲は山さんの歌に集中できていなかったけど、「されど〜」が切り替えさせてくれた。
この曲の歌詞って希望がないというか、ものすごく現実的なんだけど、それが逆に励ましてくれる。
ポジティブに疲れた時にこういう歌があると、「こう思ってるのは私だけじゃないんだ」と思える。
スキマスイッチ
曲が多すぎて書ききれないので、特に印象に残ったものについて書いていきます。
全力少年
オーキャン1曲目。
中盤や終盤に歌われることが多いイメージのこの曲を1発目に持って来られて、「やられたー!」と笑みが溢れた。
4年ぶりに声出しも解禁され、みんなで歌えたことが嬉しかった。
コトバリズム
「じまじろうのわお!」というテレビ番組のために書き下ろされた曲。
しまじろうが登場し、会場を盛り上げてくれた。
しまじろうのかわいさに心が洗われたよ…
些細なことも言葉にする大切を歌った曲。
子どもだけではなく、大人にも響くし、大人にこそ必要な曲だなと思った。
アニバースデー
全アーティストが揃って歌われたバースデーソング。
タンバリンやマラカスを持つアーティストが多い中、何も持っていない秦さん。
それに気づいた卓弥さんに「秦は何も持たないの?」と聞かれ、「僕は持つのをがまんバリンしてます」と返したのがおもしろかった。
(文字にすると伝わらないけど、秦さんが言うとおもしろいのよ)
そこからしばらく「〜バリン」という造語大会が繰り広げられ、オーガスタのファミリー感を感じられた。
そして、「今日誕生日の人ー?」っていう卓弥さんの声に手を挙げる人がちらほら。
うらやましすぎる…
みんなでお祝いする温かい空気に包まれた時間だった。
カバーメドレー
スキマスイッチが他のアーティストへのお礼にと各アーティストの楽器をカバーしてメドレーにした17分間。
始まる前にスキマスイッチの2人が
「うちの事務所はみんな濃い」
「カバーしてもその人の出しがちゃんと出る。昆布はカツオにならない」
って話してたけど、それはスキマスイッチにももちろん当てはまる。
歌い方もメロディーもそれぞれのアーティスト独特なものがあるのに、それを歌いこなしてさらには初めからスキマスイッチの曲だったかのように自分たちの色を出す。
感動して鳥肌が立った。
私が特に印象的だったのがこの2曲。
「P.S.S.O.S」(オリジナル 長澤知之)
この高音出るの?!と卓弥さんの音域に衝撃を受けた。
1曲目がこの曲で、なんかすごいものが始まるぞという期待感が湧いてきて、心の奥が熱くなった。
「俺のアディダス〜人としての志〜」(オリジナル 竹原ピストル)
スキマスイッチと同期デビューなのに、途中でオーガスタから離れていたからか周年をフィーチャーされないピストルさん。
この曲を歌っている卓弥さんは「俺の同期はこんなにすごいんだぞ!」って伝えている気がした。
会場の熱も一段と上がったように感じた。
「ミュージック」(オリジナル COIL)
岡本定義さん(COIL)もデビュー25周年なのにピストルさん同様フィーチャーされず。
最後にCOILの曲を持ってくることで、お祝いとリスペクトの気持ちを伝えてるんじゃないかなと思った。
奏
言わずと知れたスキマスイッチの代表曲。
卓弥さんは「この曲が嫌いになったこともあった。けれど今はこの曲を作ってよかったと思ってます」と話してくれた。
以前にYouTubeか何かでも言ってたことを思い出した。
「スキマスイッチ=奏のイメージが定着して、それが自分たちの幅を狭めていると感じていた」と。(細かい言葉は覚えてないけど、こういうニュアンスのことを言っていた)
その葛藤を乗り越えるのはきっと簡単じゃなかったはず。
それでも乗り越えてこうして届けてくれるありがたみを私は噛み締めた。
福耳
福耳はざっくり説明すると、今回出演したアーティスト全員。
誰一人として似た声の人はいないのに全員で歌うとまとまるのってすごいなぁといつも思う。
「全力少年」
今回の1曲目にスキマスイッチ2人で歌った「全力少年」を福耳全員で。
イントロのコールアンドレスポンスを卓弥さんの発案で後輩がすることに。
まずはさかいゆうさん。
「スキマスキマスキマ〜!」とスキマスイッチ本人ではなかなかできないコールアンドレスポンスに。
この一声にありったけの「おめでとう」が詰め込まれている感じがした。
続いては浜端ヨウヘイさん。
さかいさんの真似をして「スキマスキマスキマ〜!」と叫んだら、卓弥さんからダメ出しが。
すると、ヨウヘイさんの声量をこれでもかと発揮した長いコールアンドレスポンスに。
次は松室政哉さん。
タイミングが掴めず、なかなか始まらない…と思ったら「コールアンドレスポンスしたらオーキャンが終わっちゃう」と寂しそうに言う。
そして演奏が止まり、花束を持った山崎まさよしさんが登場!
周年お決まりのサプライズに、スキマスイッチ2人の笑顔が弾けた。
そして会場全員で「おめでとう!」を叫んだ。
心がぽかぽかしてくる温かい雰囲気だったし、多幸感に包まれていた。
その後はアーティストと観客で「全力少年」を大合唱。
みんなで歌える喜びも感じられた。
星のかけらを探しに行こう Again
オーキャンと言えばこの曲。
この曲も
「今宵星のかけらを探しに行こう」
「ちゅるるるっ、ちゅっちゅっ、ちゅるるる、ちゅっちゅっ」
と歌うコールアンドレスポンスがある。
去年は声が出せないからスマホのライトをリズムに合わせて揺らした。
今年はみんなで歌えて、「あー、やっとオーキャンが戻ってきたなあ」としみじみ嬉しかった。
卓弥さんがムロくんに「さっき結局出来なかったんだからコールアンドレスポンスしなよ」と提案。
上手くできないムロくんに卓弥さんがやり方を教えている姿が兄弟みたいで微笑ましかった。
バンドメンバーの外園一馬さんとゲストギタリストの佐橋佳幸さんとのセッションも見応え、聞き応えがあった。
「今までで1番長い星かけ」(杏子さん談)となり、その場にいる全員が音楽を楽しんでいるのが伝わってきた。
Augusta Camp 2023 Nice Band
オーキャンを支えてくれたバンドメンバー。
Gt:外園一馬 / B:須長和広 / Key:浦清英 / Per:松本智也 / Sax:宮崎隆睦 / Tp:田中充 / Dr:村石雅行・あらきゆうこ
セトリ数えたら63曲あった。
途中バンドメンバー抜きで演奏される曲もあったので全部の曲を演奏していたわけではないけど、6時間演奏する体力と技術力にほ本人に頭が下がる。
特にギターの外園一馬さんは最多の50曲以上演奏していたそう。
外園さんはムロくんのライブをほぼ毎回支えてくれているギタリスト。
2人がいつもより大きなステージ、いつもよりはるかに多い観客の前に立っている姿を見て感慨深かった。
まとめ
セトリを見ながら書いていたら色々思い出してものすごく長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
6時間があっという間に感じるくらい濃くて楽しくて幸せな時間でした。
2日経った今でも余韻に浸っています。
オーガスタのファミリー感、各アーティストの職人感が私は大好きです。
SNSでバズるような音楽ではないから、世の中にあまり知られていないかもしれない。
けれど、私はオーガスタにバズりを求めていないし、消費されずに細く長く愛される音楽を作り続けてほしい、何よりアーティストの皆さんがやりたいことをやり続けてほしいなと願っています。
1ファンの勝手な思いですけどね。
とにかくオーガスタのアーティスト、スタッフのみなさんがこれからも幸せでありますように。