サルデーニャの調理道具 -その3-
Cesto-カゴについてですが、調理道具というよりは調理したものを入れる用具、でしょうか。もちろん直接カゴを使って生地に模様をつけることもありますが。
古代から豊かな資源である植物繊維を編む芸術はサルデーニャの農牧地の環境に
適しており、母から娘、娘から孫と代々女性によって受け継がれてきました。
地域によって材料として使われる植物の種類や編み方、形状は異なりますが島の
どの家でもカゴは必需品として、また装飾品として欠かせません。
よく知られているカゴとしては大まかに3つに分かれます。
まず、Corbula-コルブラ-と呼ばれるもので形は円錐台で大きさや深さは様々。
材料は麦わら、アスフォデロ(ユリ科のツルボラン)、イグサ、ラフィアなど。
用途も様々でカゴの上に厚手の布を置いてパン生地を発酵させるときに用いたり、焼き上がったパンを置いたり、etc…
使わないときはインテリアとして壁に掛けられています。
また小さなものはパンやお菓子を入れてテーブルに置かれていることも。
ふたつめはCanistedda-カニステッダ- 平らで広く、縁が浅いもの。模様がなくしっかり編まれたものはパスタ生地に模様をつけたり、パスタ生地を乾かしたり。
古くは小麦を粉にするときの篩にも用いられていました。
また蓋のあるものもあり、それは主にサルデーニャ独特のパン、パーネカラザウやスピアナータを保存するために使われます。
最後はPischedda-ピスケッダ- 主に葦からつくられたシンプルなカゴで唯一持ち手がついています。用途はきのこ狩りやフルーツ狩りなどのときに使われます。
もちろんこの3つだけではなく、また代々伝わったアンティークのものもあれば、
職人さんによってのデザインものもあります。
また、昔は結婚するときに花嫁側がシーツなどの寝具を用意し、それをカゴに入れて花嫁側の親戚や知り合いの女性たちがこれまたカゴに入れたパンやお菓子と共に頭に乗せて花嫁さんのお家から新居まで運んだそうです。今でもお祭りで見られることもあります。
どれも可愛くて壁に掛けたり、テーブルに置いたり、使わなくってもついつい欲しくなっちゃいます。
Sardegnasickのネットショップではそんな可愛いカゴも扱っています。
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