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ゲルハルトリヒターの絵画
昨年のつまり2022年の展覧会を振り返ると、ゲルハルトリヒターの絵画、『ビルケナウ(アウシュビッツ収容所)』が印象に残っています。
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東京国立近代美術館で開催されていました。↓
クリックしたら4枚の連作の絵が見れます。
ビルケナウは計4枚の連作になっています。
アウシュビッツ収容所にてナチスが写真で収めた写真をベースにこの絵画は描かれています。このビルケナウの隣にそのベースになった白黒の写真が4点ほど壁に立て掛けられていましたが、目を背けたくなるほど残酷な光景が写っていました。その光景は現在のロシアと重なるものがありました。今この絵画が世界各地を回っているのも、現在を生きる人たちに何か訴えかけるものがあるからこそこれ程各地で展示され、多くの人たちに見られているのではないでしょうか。
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この絵の前に立って、しばらく眺めていました。するとなんと言えばいいのでしょう。おぞましい感情が掻き立てられるような感じがしました。ネガティブな感情が、おそらくまだ名付けられていない、負の感情が、波打つように浮かび上がってきました。
以前イスラエル人と知り合いになり話をしていると、彼の祖母は腕に番号のタトゥーが刻印されている、と聞かされたことがあります。そのような話を聞くと現代にも歴史というのは陰を潜めているんだなと思うと同時に、もっと歴史を学ばないとなと痛感したのを覚えています。
またこの絵画を見て思い出したのは心理学者のヴィクトール・E・フランクルが書いた『夜と霧』という本でした。本部アウシュビッツの支所で起こった話ですが、そこで起こった生々しい話は我々は同じ人間なのか、と疑いたくなるほど残酷な記録です。
この絵を見ているとなぜ人は争い続けるのだろうかと根源的な問いが生まれます。身近なところで、家庭で、兄弟間で、職場で、コミュニティ内で、争いの種はそこかしこから芽を出しています。僕たちはそこで生じるネガティブな感情とどのように向き合えばいいのでしょうか?この絵画はさまざまな疑問を絵を観る者に問いかけています。
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