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父の悪口

私は、小学生の頃に父を病気で亡くしました。その時、父はまだ30代。

それから50年以上経ちますが、以前から母は亡くなった父の事を良く言うことはありませんでした。
「ろくに仕事もせずに、お酒ばかり飲んでいた」というもの。
私の覚えている父もよくお酒は飲んでいたものの、特に酒癖が悪いわけでもなかったので、悪い印象はありません。

頭がよくてスポーツ万能で、地域の運動会のリレーではカッコよくアンカーを走っていた姿を覚えています。

ところが認知症になった今でも、母の口からは父の悪口ばかり。
「たまには良いことも言ってあげたら?」と言っても「全然、ない!」
確かに父のせいで母はだいぶ苦労をしたらしい。

とはいえ、楽しいことだってきっとあったはずなのに・・・
でも悪口であっても、そうやって昔のことを思い出して話をするのは、脳にはいいことなのかもしれません。

父にはとても気の毒なことですが。

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