お寺の映えスポット(個人的に)
このお寺に嫁いできて21年。お掃除したり、ご飯を作ったり、作務をしたり、お参りしたり、1日のほとんどをこのお寺の中で過ごしているので、私にとっては「日常」の場です。もう見慣れたものばかり。
でも!時々うつくしい様子にハッとする瞬間があります。そんな「栽松院の秘密の映えスポット」(個人的に)をご紹介します。
本堂の扉
まずはこちら。
本堂の真ん中に大きな木の扉が4枚あるのですが、夕方になると西日を受けて、障子の部分がオレンジ色に光ります。写真ではよくわかりませんが、薄暗くなった本堂に西日に照らされた障子と畳が柔らかく浮かび上がり、幻想的です。
あ!と気づいてスマホを取りに行き、本堂に戻って撮影しようとするころには日が傾いて光が薄くなってしまうくらいあっという間なので、今日のこの写真もちょっとぼんやりしています。もっと早く気づけばよかった!
季節や太陽の高さ、その日のお天気の影響も大です。
本堂裏の長廊下の衝立(ついたて)
本堂の裏に長い廊下があります。途中にお客様用の東司(とうす、お手洗いのことです)があり、お手洗いより先は立ち入り禁止のために衝立を立てています。その衝立に小鳥の模様が入っているのですが、そこも個人的映えスポット。
西向きの本堂の裏ということは、東の光を浴びています。朝の掃除をした時に、1日のはじまりの新鮮な日を浴びた衝立の鳥がとてもかわいいのです。実際はとても小さな鳥の透かし模様です。低い位置に入っているので、しゃがんで雑巾をかけているときに目に入ります。
本堂からの赤地蔵
こちらは、本堂掃除のときに扉を全部あけた景色。桟を拭くために扉を開けるのですが、境内の赤地蔵さまが建物ごとよく見えます。お地蔵さまを守る瓦の屋根や白壁は、まるで小さなお堂のよう。そっと佇む景色が物語の世界のようで心が和みます。(バケツが写っていますが、掃除の途中の写真です。)
観音堂の中から見た松
つづいて、こちらは観音堂の中からみた松の景色です。中央通り側の山門を入ってすぐ右手に松、左手に観音堂があります。今年4月に扉を修理し、畳を入れ替えた観音堂に入って参道側の戸を開けると、境内の松の木が見えます。黄梅山 栽松院の名にちなんで、観音堂を「黄梅庵」と名付け、4月に1日抹茶体験を開催しましたが、小さな観音堂の中に静かに座って松の木を眺めながら抹茶を飲んでいると、町なかにいるとは思えない落ち着きを感じることができます。
銀杏の木と本堂の屋根
最後に、境内からの風景です。樹齢が誰にもわからないほど古い、境内の銀杏の木。その昔、お寺の周りにビルやマンションがない時代は、この木が町で1番高かったそうです(先代談)。つづいて高い建物がこの本堂の屋根だったとのことで、屋根の上に月が昇ってくるととても綺麗だったそう。今ではホテルやビルの中にひっそりと佇んでいますが、ときどき見上げると今でもよい景色です。ちなみに屋根のてっぺんに寺紋が入っています。
他にもあるかも
以上、かなり個人的なお寺の映えスポットをご紹介しましたが、中にいるからこそ見える映え風景。きれいだな~と思う風景を見つけるのは、大概掃除をしたとき。掃除をすると空気が澄んできれいに見えるのかもしれません。心の目も澄んでいるのかも!?
お参りや寺子屋でお寺にお越しの際に、栽松院の映えスポットを見つけたら是非教えてください!
☆寺子屋さらんホームページはこちら
栽松院の寺子屋さらん (saran-nagano.com)
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