☆医療器具や傷跡は何故”勲章”と呼ばれてしまうのか
【頑張った証としての勲章。】
そんな言葉がいつの時代も散見している。
特に、体に入っている医療器具や手術痕などに対して使われることもある。
私も小さい時から「その傷やCV(中心静脈カテーテル)はさらみくんが頑張った証だね。勲章だね」と言われ続けた。
勲章。
主に国家あるいはその元首などが個人に対し、その功績や業績を表彰するために与える栄典のうち、章飾の授与を伴うもの、あるいはその栄誉を示す章飾。(Wikipediaより出典)
転じてこの場合は、見える形として残ったもの、という意味合いだろうか。
だが、勲章にはその功績や業績が認められてもらえるもの、という前提がある。
もし、医療器具や傷跡が勲章であるならば、そこに至るまでの功績とはなんなのだろうか。
治療の痛みや苦しさに耐えたという結果に対するものだろうか。
そして、それは嬉しいのだろうか。
残念ながら、自分はCVも、今回造設されたストーマも、まったく嬉しいものではない。当然、勲章とも思っていない。
もっと言えば、異物に過ぎない。
自身の生活を変えてしまい、感染経路としてのリスク。
だけど、逃げることができない。これがなければ生活ができない。
ないに越したことはないもの。
勲章は、名誉なもの。
まるで正反対。
ただ、そう思いたい人は、そう思わないと現実に押しつぶされてしまうのだろう。
どうあってもネガティブなものであるというのはわかってるのだから。
励ます側も口に出したとして、傷つける言葉になりにくい。
医療器具や傷跡は勲章。
そう思わないとやってられないのだ。