カレー嫌いでもハマる、スリランカカレー
毎日三食カレーは絶望的
わたしのスリランカ初渡航は、2017年春のこと。
確かインドの下の方に位置する国よね?というくらいのイメージしかなく、日本と同じ島国であること、長らく内戦があったこと、セイロンと呼ばれていた時代があり紅茶の一大産地であること、世界遺産の「シギリヤ・ロック」があること、その程度の予備知識だけを仕入れて飛び立ちました。
さて、旅の醍醐味といえばやはり現地ならではの食事。
観光地巡りよりショッピングより何より、美味しい食事とお酒に目がないわたしですが、スリランカに渡航歴のある友人から、「ぜーんぶカレー味だったよ」とのなんとも残念な前情報を得ていました。
もともと、日本オリジナルの、あの小麦粉たっぷりのカレーがあまり好きではないわたし。
食卓に並ぶごはんが、全部カレー味なんてのも論外。
「毎日三食カレーは絶望的」と食に対する期待は半ば捨てていました。
魅惑の一皿を、例えるなら?
しかし、せっかくはるばるやってきたのです。
現地の方が日頃食べている美味しいごはんを味わってみたい−。
そんな思いでドライバーのラビ氏に「観光客があまり行かない、あなたが心から美味しいと思う店に連れて行って」と頼んでみました。
場所はスリランカが誇る世界遺産シギリヤ・ロックにほど近い田舎町の食堂。
屋根こそあるものの、掘立小屋のような簡素な造りです。
ここが食堂?いえ、言われなきゃわかりません。
しかし、わたしはそこで食べたカレーに、完全ノックアウトされました。
なにこれ、ものすごくお·い·し·い!!!
すっごくわたしの好み。
まさに胃袋と心をつかまれた瞬間。
肉のカレー、魚のカレー、豆のカレー、そして野菜のカレー。
その時はまだ、調理法や使うスパイスの違いなど皆目見当がつかなかったけれど、いままで食べたことのあるどんな国のカレーとも違います。
それぞれが、辛味や甘味、酸味と微妙に違う味をなして、渾然一体の魅惑の一皿を作り出しています。
ワンプレートの上に、主食となるライス、
主菜の肉や魚、そして副菜の豆や野菜を盛り付けるのは、まさに日本の定食と同じといえます。
そこでわたしは、こう結論づけました。
「スリランカカレーは、日本の定食そのものやん」
カレーを求めて、スリランカ
それから数ヵ月後、休暇を工面してわたしはカレーづくりの武者修行にスリランカへ飛び立つことになります。
明けても暮れてもカレー修行。
作り方を教わることはもちろん、いろんなレストランの味を味わいにも行きました。家庭の味をごちそうにもなりました。時には、当地ならではの希少なスパイスや作物の栽培地に見学に行くことも。
ここで、完全にスリランカの魅力に取り憑かれたわたし。スリランカ通いがスタートして、早や数年が経ちました。今はコロナ禍で往来できない日々が続くけれど、ぐっと我慢の時。
「カレーを求めて、スリランカ」の日々が一日も早く訪れるよう、日本で恋心を募らせながら、今日も明日もカレーづくりに勤しみます。
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