実は定食、スリランカカレーはカレーじゃない? スリランカカレーとは何者だ?#1
学んでは食べ、食べては学びの日々
初めてスリランカを訪れた際、わたしの胃袋と心を鷲掴みにしたスリランカカレー。
その魅力をもっと深く知りたくなり、もっと言うと自分でも作りたくなり、初渡航から数ヵ月後、わたしはカレーづくりの武者修行にスリランカへ飛び立ちました。
ネゴンボ、コロンボから、クルネーガラ、シギリヤ、ダンブッラ、果ては最北端のジャフナまで。
現地のお母さんの家庭料理から高級レストランの味まで、学んでは食べ、食べては学びを繰り返した結果、
体重はうなぎ上りに増加したけれど、その時必死でメモしたノートは、いまもわたしのプチ財産。
個性の極み、でもお皿の上では仲良くね
スリランカカレーは、日本のカレーと違って多くの食材を一緒に煮込むことはしません。
チキンならチキンだけ、マグロならマグロだけ。
野菜もカボチャ、オクラ、ジャガイモ、ナスなど、日本でお馴染みの顔ぶれもカレーに早変わりしますが、どれも1種類で作り、それらをいくつも用意します。
基本的に複数のスパイスを使うことは共通していても、
食材によって使うスパイスが変わり、煮込んだり、さっと炒めたり、合えたりと、調理法も異なります。
スパイスの効いた肉や魚のカレーを中心に、優しい味わいの豆カレー、青菜のお浸しのような副菜、ココナッツで作った辛いふりかけ、お漬物的役割のピクルスなどのおかずが取り囲む。
それぞれが個性を際立たせているけれど、お皿の上では、お互いを尊重し合って仲良くしましょうね、という感じでしょうか。スリランカでわたしは、それまでのカレーの概念を大きく覆されました。
そして、タイトルの質問「スリランカカレーとは何者だ?」に答えるなら、
「カレーというより、やっぱり定食」
日本の定食って、本当によくできているなと思います。
味のバランス、栄養価。
主食の米を中心に、肉や魚などの主菜あり、お浸しや胡麻和えなどの野菜、ひじきの炊いたんなどの副菜あり、
お味噌汁などの汁物あり、とてもバランスがいいですね。
スリランカカレーのライス&カレーは、まさにそれと同じ。
お皿の上のハーモニー
学びを経て突き詰めると、わたしが考えるスリランカカレーの一番の魅力は、ひとつのお皿の上でバランスよく、五味が一体となっていること。
酸味、苦味、甘味、辛味、鹹(塩)味
五味すべてが渾然一体となって、まるでお皿の上でひとつのハーモニーを奏でているよう。
日本人の嗜好にもきっと合うスリランカカレーの魅力。
定食のように身近に感じてもらえるように、
これからどんどん、発信していきます。