早春のカレーは黄色を咲かせて整える。スリランカカレーにも春がきた!
春の皿には、苦味を盛れ
公園を散歩していると、菜の花の鮮やかな黄色が目に飛び込んできました。
そういえば、立春も過ぎ暦の上では春。日も長くなってきましたね。とはいえ、暖かい日と雪が舞う寒波の日が交互にやってきたり、体調管理が難しいです。
このような季節の変わり目には、旬のものを。
古来より「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあります。
春は苦いものを積極的に食べましょうという意味で、苦いものとは主に春野菜のこと。
人間は寒い冬を乗り越えるため、その間は自然と脂肪を蓄えるメカニズムになっています。そして春を迎える前に溜まった脂肪や老廃物を出し、身軽な春仕様の体になろうとします。そこで、その作用をもつ苦味のある春野菜を食べると良いとされています。
苦みの正体は、ポリフェノール。この成分が新陳代謝を促進し身体に溜まった老廃物を外に出して、身体を目覚めさせ整える働きをしてくれます。
言うなれば、苦味のある野菜は「冬の身体」から「春の身体」へのスムーズな移行をサポートしてくれる栄養源。そう考えると「春の皿には苦味を盛れ」にもガッテン!です。
スリランカカレーにも春がきた!
早春のこの時期、苦味のある春野菜の代表格といえば菜の花を置いては語れません。素朴な花姿も好きですが、食べるのはもっと好き。
お浸しや辛子合えと日本酒は最高の組み合わせだし、ニンニクとオリーブオイルでアーリオオーリオ風にさっと炒めてイタリアンなんてのもあり。
ですが、今日はスリランカカレーのお皿に菜の花を盛っちゃおうという話です。調理法に悩みましたが独特の歯触りも活かしたく、ここは汁気のあるカレーではなくシンプルに炒めものにしました。菜の花のテルダーラです。テルダーラとは、シンハラ語で炒めもの。スリランカ版鰹節・モルディブフィッシュを隠し味に使います。
緑鮮やかに完成。美しいので、ライスの上にも飾ってみましょう。
アーユルヴェーダ的すすめ
スリランカの伝統医学アーユルヴェーダでも、春は甘いものや重いもの(揚げ物など)は避けて、苦味、渋味、辛味のあるものをとるとよいとされています。
スパイスも苦味・渋味=ターメリック、辛味=黒胡椒、チリ、ショウガなどを意識的に使って、アーユルヴェーダ的食事のキーワードでもあるアグニ=消化力を上げます。
積極的に摂りたいもの
苦味・辛味・渋味
菜の花、フキノトウ、カラシ菜、明日葉、山菜、三つ葉、蕗、新タマネギなど
できるだけ避けたいもの
甘味・塩味、重性、濃い味つけ
甘くて濃厚なスイーツ、チーズ、揚げ物など
(写真)ターメリックの黄色が目に鮮やか
またアーユルヴェーダでは、一度の食事で五味=甘味・塩味・酸味・辛味・苦味に、渋味をプラスした「六味」を味わることを推奨しています。
わたしもスリランカカレーのライス&カレーを作る時は、自然とこの「五味、できればプラス渋味」で味のバランスを考えてメニューを構成しています。今宵はターメリックをいつも以上に意識して使っていたら、いつの間にか黄色いカレーや副菜が多いお皿に。
黄色いカレーで、早春を満喫。
わたしはやっぱり、花より団子ならぬ「花よりカレー」
記事に登場したスリランカ版鰹節「モルディブフィッシュ」、こちらもぜひ。