TVドラマ『偽装不倫』のインテリア
住空間を通して
人を幸せにすることが
インテリアコーディネーターの責務です。
インテリアに興味があり、
自宅を自らの手でおしゃれにしたいと思う方に
手に入れておくと役にたつ基本的なセオリー(理論)をご紹介します。
〜TVドラマ『偽装不倫』のインテリア〜
7月に入り、新しいドラマが始まりました。
全てを見ることはできないため、
録画した第1話を見て、判断をします。
判断基準は、人それぞれですが、
私は、ストーリー展開よりもドラマに流れる
空気感が自分と合うものを選ぶこと多い気がします。
あとは、仕事絡みです。
お客様からあのドラマのインテリアを真似したい
と言われた時、すぐ反応できることを考えて
話題になっているドラマのインテリアを
チェックするようにしています。
2017年春ドラマでは、
『あなたのことはそれほど』の中で
主人公の暮らす部屋が、評判になりました。
今でも、根強く支持されています。
『あなそれインテリア』で、検索すると
たくさんな画像を見ることができます。
インテリア監修は、
インテリアショップACTUS(アクタス)が
全面協力をしています。
2年前の作品ですが、同じものが
継続して販売されていれば、購入も可能です。
さて、今回インテリアが気になった作品は、
日本テレビ系、水曜夜10時『偽装不倫』です。
主人公の濱鍾子(杏)が、両親、姉(仲間由紀江)夫婦
と暮らす二世帯住宅が舞台です。
二世帯住宅の特徴のある外観や、インテリアが
ストーリーを超えて目に入ってきます。
中でも一番目を引いたのが、
たびたび登場する親世代リビングに貼られた
個性的な壁紙。
ウィリアム・モリスのデザインです。
ウィリアム・モリス(William Morris、
1834年3月24日 - 1896年10月3日)は、
19世紀イギリスの詩人、デザイナー、
マルクス主義者。多方面で精力的に活動し、
それぞれの分野で大きな業績を挙げた。
「モダンデザインの父」と呼ばれる。
〜ウィキペディアより〜
壁紙だけではなく、カーテンにも同じ
モリスの柄が見え隠れしています。
壁紙はリリカラとマナ・トレーディング。
カーテンは川島織物セルコンとこちらも
マナ・トレーディングで取り扱っています。
ウィリアム・モリスの壁紙(リリカラ)
いちご泥棒とネーミングされた
ウィリアム・モリスで最も有名なカーテン生地。
壁紙だけでなく、厚地のものやレースのカーテン
など、すべて同じ柄が用意されているシリーズも
あります。
ウィローボウと名付けられたこの柄は、シンプルな
色使いと枝葉だけのデザインが、男性にも好まれ、
誰にも受け入れられやすい人気商品です。
さて、ここでインテリアコーディネーター
ならではの裏話を1つ。
ウィリアム・モリスのデザインの1つに
『LOVE is ENOUGH 』と名付けられた柄が
あります。
直訳すると、愛は充分あるいは満ち足りている。
ただ、この言葉の背景には、
画家である友人と妻との不倫に悩む
モリスの想いが込められいます。
もう、愛なんて充分だ。飽きるほど充分だ。
切ない言葉です。
私はこのシンプルで優しい柄が好きです。
柄に込められたモリスの想いを知り、複雑な
気持ちになりましたが、
想いはどうであれ、デザインには惹かれます。
今回、ドラマ『偽装不倫』の親世代リビングには、
友人と妻の不倫に悩み続けた
モリスの壁紙やカーテンが使われています。
妻(仲間由紀江)の不倫に悩む、
夫(谷原章介)にウィリアム・モリスを重ねている
気がします。
インテリアが、ドラマの背景でありながら
伏線として散りばめられていることに
深さを感じています。