子どもの遊びに私も学ぶ
現在私の中で、子どもといる時間を子どもの遊びに尽力してみよう週間が行われている。直近に追われる仕事がないことも大きいが、子どもといる時に仕事をしようとすると結局できずイライラするので、発想を変えて、1歳5ヶ月の子どもが楽しいことってなんだろう?と考えるようにしてみた。保育園の日に、全力で仕事に取り掛かり、保育園でない日は仕事はしないと開き直る。もしくは、早起きして子どもが起きるまでの1〜1.5時間、自分の時間を捻り出す。中途半端に両立しようとすると、双方にとって不幸だ。
今日は用事で町へ出たついでに、近くにある児童文化センターに寄ってみた。平日昼間なので閑散としている。遠慮がちに館内を見回していると、プラネタリウム上映のアナウンスがあったので、せっかくだからと行ってみる。お客は我々だけの貸し切りだった。子ども無料、大人も子育てパスポートを利用すれば350円とリーズナブル(通常は500円)。キッズプログラムという30分程度のもので、ジャングルクルーズ風のお兄さんのおしゃべりが上手でとても楽しかった。リクライニングの椅子に行儀良く座る子ども。暗くなると怖がるかなと見守っていたが、じっと空を見つめている。途中でぐずりだしたが、私の膝にうつったらいい子にしていた。出てくる星や星座を「あ!」とその都度指差して目を見開いて見ている。おおいぬ座が出たら「わんわん」、獅子座を見ても「わんわん」。子どものフィルターを通して見る世界は、いつも新鮮で楽しい。
終了後は図書館でぬいぐるみと絵本で遊ぶ。8ヶ月の女の子を連れたお母さんと雑談をする。4月から仕事復帰で授乳間隔の調整や、保育園に向けて名前書きが忙しい話。突然の子どもの不調などに対応するために、正社員ではなく派遣社員を選んだという話。母乳を良く飲む子どもさんのおかげで、15キロも痩せたという話。短い間だったが、とても濃密で共感と笑いの絶えない時間だった。うちの子はよそのお母さんの膝が大好きで、自分からどんどん絡んでいくことも、会話のきっかけになるようだ。
最後におもちゃコーナーに寄ったところ、5歳の女の子と3ヶ月の赤ちゃんを連れたお母さんと一緒になる。おままごとを使いたいと女の子が言うのにその場を動かない我が子。じゃあ一緒に遊びましょうか、という流れになった。この5歳の女の子が、おままごとがとても上手で驚く。ケーキをお皿にいくつも並べ、その後「トマト汁作る!」とお鍋に器用に野菜を入れて次々とお料理をこなしていく。お母さんも「隠し味にケーキを入れましょう」とか言い、うちの子も便乗して塩の容器をぱっぱっと振っている。おお、なんかめっちゃいい感じだ。私だけが気恥ずかしいような感じで遠目からそっと見ている。遊ぶの上手だなあ、おい。いくらでも続きそうな時間だった。
そんな姿を見ていて、ふと感じる。週3回行っている保育園で、子どもはきっとこんな風に時間を過ごしているのだろう。遊び方の上手な保育士さんにお任せして私は悠々と自分の時間を過ごしているが、その分遊び方の想像もつかない私はこんなに上手に遊べない。周りに小さい子もいなかったし、正直、子どもは苦手だったから。でも、5歳のお姉ちゃんとお母さんと一緒に楽しそうに遊ぶ我が子を見るのはとても嬉しかった。最後、「帰るね」と言うと、最初はうちの子に自分のお母さんの膝を取られて「きみのお母さんはこっちだよ」と口を尖らせていた5歳のお姉ちゃんが「もっと一緒に遊びたい」と寂しそうに言ってくれた。コミュニティできてるじゃん、おい。我が子は、一人遊びから、誰かと遊ぶフェーズに移りつつあるのだ。そりゃあ、家にいる時も誰かにかまって欲しいよな。いろんなことに合点がいった。発想を変えると、子どもが愛おしく思える。子どもの遊びに私も学ぶ。自分モードと子どもモードとパチっと切り替えることで、今のこの状況を存分に糧にできるに違いない。