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確定申告に想ふこと

ここ最近、ちらちらと頭の片隅に居座りはじめていた確定申告。ぽちぽちと入力を繰り返し、無機質な数字と向き合う時期だ。

ようやく重い腰をあげて作業をスタートさせた。

むかし経理事務をやっていたはずなのに、毎回最初は「何をやっていたっけ」と思い出すのが地味に大変だ。

今年も自作のマニュアルに書いた内容や意味を思い出す作業からはじまった。

会計ソフトに並ぶ昨年お世話になった取引先名を眺めているうちに、いつの間にか、この一年を振り返っていた。

懐かしい取引先名もあれば、数年間お世話になっている馴染みの取引先もある。数字と取引先名だけなのに、そのときの仕事の内容や感情も一緒に思い出していた。

SNSやメールに届く問い合わせ、関係者との顔合わせ、依頼者の想いと情熱、定期ミーティング、チャットのやり取り、マニュアル、進行管理表、請求書。

チャットツール上に送られる業務連絡、バーチャルオフィスのアイコン、終始緊張の取材。シンプルなテキストから見え隠れする相手の要望や感情、温かいスタンプ、労いと感謝のメッセージ。

敢えてテキストではなく、動画で意図を伝える日も。

うれしかったこと、楽しかったこと、しんどかったこと、苦しかったこと、申し訳なかったこと、やりがいを感じたこと、悔しかったこと……。

グルグルと胸のあたりで感情が渦巻いていた。

いかんいかん、とスッと立ち上がり、深呼吸する。窓の空はグレーでどんより曇っている。

淡々と同じような仕事をしているようでも、毎月の経験は濃く、さまざまな学びや出会いがあった。

フリーランスになり、仕事が目の前にあることのありがたみを痛感している。溢れるほど同業者がいるなかで「あなたにお願いしたい」と自分に依頼があるのは決して当たり前ではない。

本当にありがたいなぁ、感謝だなといつも思う。

昨年の仕事や出会いがあったからこそ、今の私がいる。ふとしたときに自分だけがわかる、静かな成長。

繰り返される、孤独のなか学びと決断。

仕事を通じて、いつも私のほうがたくさんの学びを受け取っているのでは?と感じる。

はじまったことも、終わったことも。得た学びは次の仕事や新たな出会いに活かせばいい。きっと、無駄にはならない。

来年、この会計ソフトを開いたとき、私は何を思うのだろうか。

もう数日したら、締め切って、この一年をそっと閉じる。

今年1年の仕事もしっかりと楽しみたい。

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さおり
最後までお読みいただき嬉しいです♪ありがとうございます!これからも心を込めて執筆していきます。