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禅の道(104)行雲流水

――自然の流れに身を任せる

昨日は、強い風が吹き荒れ、吹雪の中での除雪作業となりました。私はミニユンボという小型のバックホーを使い、ブルドーザーのような役割を果たす排土板を利用して雪を押しながら進んだのですが、両脇へ雪が逃げていくため驚くほど効率的でした。タイヤショベルで除雪するのと同じような感覚で、思いのほか楽に作業を終えられました。
ただ、雪と強風にさらされるうちに身体は芯から冷えきってしまい、作業が終わるころには疲れがどっと押し寄せてきます。それでもちょうどその頃、雪がやみ、晴れ間がのぞいてくれました。空を見上げると、風がますます強まった分、雲がまるで飛ぶように流れていきます。

念水庵の池の周りは一面の雪景色ですが、水が流れている部分には雪がたまりません。その光景を見ていると、まさに「行雲流水」という言葉を思い出します。雲が空を行き、水が川を流れるように、自然の流れに身を任せて生きる――禅の修行僧を「雲水」と呼ぶのも、こうした自然の流れに逆らわずに歩む姿からきています。私も、雲や水のように生きていきたい。生涯、一雲水でありたいと願っています。身体を動かし、汗を流す毎日を送りながら、流れるままに自分の道を進む。それが私の理想です。

夜は近くの温泉「さらさ」でゆっくり身体を温めました。除雪作業で冷え切った体には温泉が何よりもありがたい存在です。私が健康でいられるのは、こうして身体を動かし、温泉につかってしっかり休息をとっているからかもしれません。自然のままに過ぎていく時間の流れを感じながら、今日もまた「行雲流水」という言葉がしみじみと胸に響きました。

生涯一雲水。


ご覧いただき有難うございます。
念水庵 正道


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