浅蜊をアッサリ頂く、浅蜊飯(深川飯)
3月~5月位までが旬の「浅蜊(あさり)」。
これは、浅蜊の一般的な産卵が2月~4月位で、身が太って旨味があるからですが、5月も美味しい~と云われる事もあります。
浅蜊飯と云うと、江戸前の浅蜊が知られ、料理の知名度としても「深川めし(丼)」が有名です。深川めしは浅蜊と野菜を煮込んだ料理で、それを御飯の上にぶっかけた丼が深川丼と云う訳です。深川丼は、お店により個性がありますので、一概にこれが深川丼だ!という事は難しいです。右の写真は、タップリ浅蜊を卵で綴じた一品です。野菜はと云うと、青葱が少量加えられているだけで殆どが浅蜊!白醤油などで味付けされ、トロトロ半熟卵で綴じられています。この深川丼は、昔東京湾で沢山取れた浅蜊をザックリと使った下町料理です。現在では、東京湾の浅蜊が激減しているので、下町料理と云うよりも贅沢な一品に変化してますね。浅蜊料理は、決して江戸前だけの食材ではなく、日本全国各地で取れる訳で、その浅蜊を使った料理は全国にある訳です。まぁ~最近は、海外からの輸入品も多いので食に旬があるのか?と考えると、一年中食べられるので食に季節感を求めるのも難しいですね。
丁度、4月~5月が旬の筍と浅蜊を一緒に炊き込んだ、炊き込み御飯も美味しい一品です。最近では、この炊き込み御飯を深川飯と位置づけるお店もあるようです。でも、それでは各地の浅蜊の炊き込み御飯が怒っちゃいますね(笑)!実際、左の写真は、岩手県北部の宿で頂いた炊き込み御飯です。確か、JRの駅弁でも販売されているようです(九州・千葉等々)。地域によっては、浅蜊の剥き身をお醤油で甘辛く煮込んで、ご飯に乗せたモノもあるようです。どれも、浅蜊の身を味わう料理としての「あさり御飯」(漁り御飯)ではある事は同じです。浅蜊は、酒蒸しが一番メジャーな料理かもしれませんが、やはり御飯と共に頂くなら浅蜊の佃煮や浅蜊飯でしょう!
(2015.5.8公開)