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無力感を吹き飛ばせ!科学の限界と祈りの力

世の中は驚くほどのスピードで進化し続けており、あらゆるツールはパソコンとスマートフォンに集約され、情報は検索エンジンにインデックスされ、遂にはAIが文章や画像を生成する時代まで進化を遂げてきています。

こういった進化の過程で日常生活を送っているため、あらゆる問題が科学的に解決されていく様子に、私たちは少し慣れ始めているかもしれません。

何か問題があっても科学的に解決ができるようになると、強く信じている人も多いはずです。

しかし、現実には解決ができない問題はまだまだ多く存在し、それでいて何よりも本質的なことについては、未だ解決ができていなかったりします。

その代表格が戦争と貧困、そして病気です。

戦争と貧困に関しては生まれ育ちの環境要因であることが多いですが、病気についてはどれ程の富裕層でも罹患する可能性が平等であることも多いです。(もちろん治療や予防に対しての経済的事情は未だに格差が大きいです)

そのため、平和な日常を過ごしている中で、身近な人が急に病気に罹ってしまう様な不幸な場面に、現代の私たちはうまく心の準備ができていないことがあります。

科学的な問題解決に慣れている現代においては、未だに科学で解決ができていない不幸な場面に直面すると、時に深い絶望を感じてしまうのです。

僕ももう30代も半ばになってきたので、そういった不幸な出来事はたくさん体験しており、その都度無力な気持ちになってしまっていました。

それでも、そんな無力な時に必ずしていることがあります。それは神社仏閣で祈ることです。


病疫の治癒を祈願して建立された奈良の薬師寺

こちらは神仏や薬の効き目が著しい方の「新」薬師寺

奈良県を訪れると京都よりもひとつ昔の時代まで歴史を遡って神社仏閣巡りをすることができます。

東大寺や興福寺、春日大社などが最も有名ですが、西ノ京駅というところまで少し足を延ばすと「薬師寺」という世界遺産のお寺があります。

この寺はかつて皇女が重い病に倒れた際、当時の天皇がその治癒を願って建立したと言われています。薬師如来を本尊とするこの寺は、病気治癒や健康長寿の願い事が叶う場所として、今でも多くの人々に愛されています。

また、奈良市内にも「新薬師寺」という名称のお寺がありますが、この「新」は「あたらしい」ではなくて、神仏や薬の効き目が著しい「あらたかな」という意味で付けられています。

そして、あの有名な法隆寺も天皇が自らの病気平癒を祈願して建立を始めたとされています。

科学という概念がなかった時代の人々は祈りを通して病気の恐怖に立ち向かっていたことがわかります。

科学を信奉しながらも神社仏閣に祈る理由

僕は基本的に科学的な問題解決に肯定的な考えを持っており、医療に関しても西洋医学を好んでいます。僕自身が20代の頃に胃がんを患っており、西洋医学の治療を受けて現在無事に生活できていることが影響しています。

しかし、この様に科学を信奉しているにも関わらず、こうしてお祈りを勧めているのは少し矛盾しているように思われるかもしれません。これには、僕自身の闘病経験とその後の出来事が関係しています。

当時の僕は手術の結果とその後の治療経過によっては、命も危ない状態で治療に臨んでいる状況でした。

その後、現代の医療に助けられて無事に退院し、その後元気になってから親戚に会いに行った時のことです。久しぶりに伯父と話す機会がありました。

久しぶりに会った伯父は僕の入院中「お寺に行くたびに祈ってたんだよ」と何気なく話してくれたのです。

親戚が当時祈ってくれていたことなど知りませんでしたし、治療が成功したことは医療の結果であると頭では理解しながらも、その祈りのおかげで救われたかの様な不思議な気持ちを抱いたのです。

無力な祈りも喜びに変わる

この祈ってもらった経験の影響が非常に強く、僕自身も身近な人が辛い思いをしている時には、神社仏閣まで祈りに行くようになりました。

身近な人が辛い経験をしている時、助けてあげたい気持ちがあるだけでは実際に役に立つことができないケースが大半です。自分ひとりにできることは限られており、そういった時には無力感に打ちひしがれそうになりがちです。

しかし、その様に無力感を抱いてしまう時、どっしりと構えてくれている神社仏閣に向けて祈りを捧げると、抱いていた無力感は整っていく精神と共に軽減されていきます。神社仏閣は逞しく存在し、まるで弱った心に寄り添ってくれているかのようです。

科学的な観点からは意味がなく思われる祈りですが、こうして我々の心を整えてくれる効用はあると思っています。

そして、辛い思いをしている身近な人が無事になったその時には、あなたが実は祈りを捧げていた事実を教えてあげると、当時の僕の様にその事実を喜んでくれるはずです。

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