ワイヤレスイヤホン論争|デメリットはあるのか
変化が激しい現代では新しいものが次々と発売され、生活様式に変化をもたらしています。
そういった変化に順応することが現代社会を生き抜くための能力のひとつであることに間違いはありませんが、全てに追いつこうと最新のトレンドを片っ端からキャッチアップしていると、お金が湯水のように流れ出ていくことになってしまいます。
進化し続ける最新のテクノロジーに触れることは刺激的な体験ができるので、できることなら頻繁にキャッチアップをしたいところですが、自分にとって不要な進化であるのならば、そこで踏みとどまることも大切です。
例えば、近年になってすっかり定着してきたワイヤレスイヤホンのAirPodsですが、僕は未だに利用をしていません。有線の純正イヤホンを利用し続けています。
AirPodsは失くしてしまいそうだとか、細かい理由を言えばいくらでもあるのですが、有線の場合は充電が不要なので個人的にはこちらの方が便利だと思っています。
しかし、有線を使い続けている最大の理由としては「これで充分だから」に尽きます。
もう何年もこの純正イヤホンで音楽や音声配信を聞いていますが、不便に感じたことがありません。音質も素晴らしいと思いますし、自分の耳にとてもよくフィットします。
世の中にワイヤレスイヤホンがどんどん普及していくことによって、かつて抱いていたワイヤレスへの違和感は薄れていき、むしろワイヤレスの方がスタンダードになりつつあります。
昨年、「模倣の欲望」という理論を説明した『欲望の見つけ方』を読みましたが、人が何かを「欲しい」という欲望は、自らのなかから湧いて出てくるものではなく、他人を真似するところから喚起されるという説明がされていました。
その理論の通り、街中でスマートな人がAirPodsを耳に付けているのを見ると、自分もいい加減有線を利用するのを辞めてワイヤレスに乗り換えた方がいいのではないか、という欲望が喚起されることがあります。
ただ、何度考え直しても、充電が要らずに音質が良い、そして自分の耳にもよくフィットしているこの純正イヤホンが、不便だと感じることが一向にやってこないのです。
その一方で、充電器についてはワイヤレス充電を愛用しています。
これは置いておくだけで充電ができるという点が、あまりにも快適だからです。ワイヤレス充電に変えてから部屋で過ごす時に充電しておく作業がとても快適になりました。
こうして結果だけを見ると、自分が何に不便を感じ、何に快適さを求めているのかは、非常に複雑なものなのだと再認識しました。
世の中は消費者のニーズに訴求するため、世界の企業が凌ぎを削って便利で快適な商品を次々と提供してくれています。
しかし、だからと言って片っ端からトレンドに手を出すのではなく、自分の中で「これで充分」なものと「これはもっと快適にしたい」というものを区別し、賢い商品選択をして過ごしていきたいものです。