チョコレートが繋ぐ現代とアステカ文明
僕は普段から良くチョコレートを食べる方で、いつも気づいたらチョコに手がのびてしまっています。
愛好家というわけではなく、頭が回らなくなった時に甘いものが欲しくなり、そういう時はチョコレートを食べることが多いというだけです。
これは若いころに胃を摘出したことにより、慢性的に低血糖状態になってしまうので、チョコレートの様な甘いものをいつも本能的に欲してしまうのです。
「気軽にチョコレートを食べられる時代に生まれて良かったなぁ」と思いながら、チョコレートの歴史を調べてみたところ、その歴史は紀元前にまで遡ることを知りました。
現在のかたちになるまでは、キリスト教の布教や科学技術の発展による固形化(もともとは飲料だった)、産業革命以降の大量生産など、様々な歴史が繰り広げられていましたが、もともとはメソアメリカ地方、現在のメキシコあたりの地域で栽培されていたカカオによって作られ始めたとされています。
紀元前1200年頃のオルメカ文明の時からチョコレートは既に飲料として飲まれており、その後のマヤ文明やアステカ文明まで長きに渡って飲まれていたようです。
特にアステカ文明では、カカオを原料とする「ショコラトル」という神聖な飲み物が、貴族や戦士、祭司に愛飲されており、これが「チョコレート」の語源だという説が有力です。
また、当時のチョコレートは飲料としてだけでなく、税や貢物、宗教儀式にも用いられていました。そして、薬用や強壮用としても飲用されており、当時は医療用途として、病気の治療にも用いられていたようです。
西洋医学の概念がない世界において、人々がチョコレートを医療として捉えていたことに驚きます。実際に病気が治ったのかどうかはわかりませんが、「ショコラトル」は神聖な飲み物であるため、病に苦しむ人が神聖なものに救いを見出すのは当然なのかもしれません。
よくよく考えてみると、僕も低血糖になった時にチョコレートを食べていますが、糖分が足りていないのならブドウ糖を補給するキャンディーを食べたくなるのが自然な流れだと思います。
それでもついついチョコレートに手がのびてしまうのは、現代においても未だに神聖さが宿っているからなのかもしれません。