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心の拠りどころを常に持っておく|読書のすすめ

僕は20代の若い頃にがんを経験していて、数年間の闘病生活を送ったことがあります。その時は生死を分ける恐怖もあり辛くてしんどい時期でしたが、時間だけはあり余っていたのでたくさんの本を読み、それはそれで有意義な時期を過ごすことができたと思っています。

そういった辛い時に読んで感銘を受けた本というのは、その思想が自分の価値観に強く反映されることとなり、その後の人生に強い影響を与えます。そしてその後の長い人生においても、心の拠りどころの様な存在になってくれるのです。

社会復帰を終えて健やかに仕事をできるようになっても、やはり現実は辛いことの連続で、時には逃げ出したくなるようなことがたくさん起こります。

そういった精神が不安定な時には、辛い経験をどうしてもネガティブに捉えてしまい、自分自身を否定する様なマインドになりがちです。

「あの時に病気になっていなければ今頃こんな目にあっていなかった」

「本当はもっと体力があるはずだった」

こういった考え方に紐づけてしまうことがあります。これはしょうがないことでもありますが、あまり良いことではありません。

そんな落ち込んだ気持ちになりそうな時、僕はいつも辛かった時に読んでいた本を読み返しながら寝ることにしています。

その中には内田樹の本があったり、村上龍の小説があったり、中島らものエッセイがあったりします。これらの本は僕にとっての心の拠りどころなので、読むだけで辛い気持ちを和らげてくれる効果があるのです。

そのため、普段あまり本を読まないという人には、若いうちからできるだけたくさんの本を読んでほしいと思っています。多くの心の拠りどころとなり得る本を若年期から持っておくことが、今後の人生において大きな助けとなるはずだからです。

身も蓋もないような言い方をしてしまいますが、友人や同僚、恋人、更には会社や国家も、耳障りのいい言葉を掛けておきながら、ある日突然僕たちを裏切ってくる可能性があるわけです。

しかし、本はそこに存在するだけで、読み手を裏切ってくることなどありません。

だから、心の拠りどころというのは、やはり本に求めるのが良いと、個人的には強く思っています。


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