会社の外に出よう|コミュニティと読書
ひと昔前までは会社に忠誠を誓い滅私奉公することで、ひとまずは確実な昇給を見込むことができ、安定した人生設計をすることができる時代でした。
人口も多く、年功序列の人事制度が機能し、尚且つ景気も良かったからです。
しかし、現在は必ずしも年功序列で昇給が約束されることもなく、ましてや年金制度も破綻しかけている状況から、昔のようなスタンスで生き延びていくことが難しいのは目に見えています。
まだ昔の感覚でいる人も多いのが現状ですが、現代ではある程度この社会的事実は周知されているように思えます。
ただ、そのことを知ったとて、どうすればいいかわからず、結果的に会社の中でだけ活動を続け、昔と同じように過労になるまで働き続けてしまう人が多いように見えます。昔と違って物価が高く賃金はあがらないのだから、今の方がむしろたちが悪い。
思考停止状態で働き続けないよう、うまく生きていくためには、会社の外にあるものと接点を持つことが大切になってきます。ひとつの会社に留まっていつも同じ人達と仕事をしていると、良くも悪くもだんだんと強い影響を受けるようになってきます。
会社で働くことは有意義なことであり、良い影響を受けることも多くありますが、自分をしっかりと保っていない場合は、いわゆる「洗脳」されたような状態になってしまい、あらゆることで自分を追い詰めてしまうことが増えます。フィルターバブルというのは、何もネット上だけでの現象ではないのです。
IT企業に勤めていた時のことです。多くの若手エンジニアは出社後に猛烈にPCを打ち込んでシステムを開発し、束の間の休憩時間にはスマホのゲームで課金をし、また仕事に戻っていました。帰りの電車内でもスマホでゲームをしていたようです。
これでは、ひとつの業界内でしか経済がまわりません。(その課金ゲームからシステム開発の技を盗んでいるのかもしれないが、僕にはそうは見えなかった)
そういった自分の状況も、俯瞰的な立場で見ることができれば、行動することで状況を変えることができます。
友人と会って話をすることでも良いし、何かコミュニティに参加して色んな人の話を聞くのも良いでしょう。
そうすると「あ、俺ずっと仕事に関わることしかしてない」「周りはそれほど忙しくしてないんだな」といった些細な発見によって、閉じ込められていたフィルターから抜け出すことができます。
そういった友人がおらず、コミュニティに参加するきっかけがないという人は、本を読みましょう。
世の中には無数の本が出版されているので、ほぼ全業種のビジネスについて情報を得ることができます。逆に「仕事をしない」ことを肯定的に語る本さえたくさんあります。
ところで、なぜ急にこんなことを書き始めたのかと言うと、かく言う僕自身が最近仕事の業務量が増え続け、仕事漬けの生活になってしまっているからです。
仕事に費やす時間が多くの割合を占めるようになると、どうしても思考が仕事寄りになっている実感があります。
それでも、正気を保ちながら前向きに仕事に向かうことができているのは、
病気をきっかけにコミュニティに参加して複数の友人を得ていたことと、闘病を機にたくさん本を読んで多様な価値観を知ったことが強く影響しているからです。
これら過去に積み上げた多様な価値観を持って、もう少しこの生活を頑張ってみようと思います。このまま忙しい日々を乗り切るかもしれないし、どこかで逃げ出してしまうかもしれません。
しかし、それも自分の人生。せっかくならば、色んな経験をしたいものです。