何かを辞めたら何かを始める|禁酒やダイエットのコツ
ここ最近、恥ずかしいことに酒量が増えてしまっている。連続飲酒にはならないように気を付けているが、意識をしなければ年中休肝日なく飲んでいることだろう。
仕事量が増えて責任やストレスが増えたことが主な原因だが、仮に仕事を辞めて無職になったとしても、有り余る時間を消費するために酒を飲んでだらだらと過ごしてしまう様子も目に浮かぶ。要は依存してしまっているのだ。
もうひとつの原因としては、嗜好品が酒に偏ってしまっていることだと思う。もともと好んでいた嗜好品はタバコだったが、それもがんに罹ってさすがに辞めることになった。その後タバコそのものが値上がりもしたので、今では一切吸いたいとは思わない。
嗜好品がひとつ減り「酒とたばこ」から「酒」だけになったわけである。そして僕のがんは胃がんだったため胃を全摘出しており、食事量も極端に少ない。ストレスが溜まった時に人はヤケ食いやドカ食いをするらしいが、胃がない僕はそれができないのだ。
最近は意識的に禁酒をよくしているのだが、禁酒する時にもシンプルに我慢するだけでは辞めることなどできはしない。禁酒したことで得られるインセンティブを自らに設定するような、そういった工夫がどうしても必要になってくる。
例えば、酒を飲みたくなったら、甘いものをたくさん食べたり、酒を飲みたくなる前に、先にご飯を腹いっぱい食べて満腹になってみたり、いろいろなことをしている。睡眠薬を飲んでさっさと寝てしまうということさえ試してみた。
こうしてあれやこれやと実践していると、ひとつの快楽を我慢するために別の快楽を用意していることに気が付く。甘いものを食べることで禁酒に成功したとして、肝臓の状態が健康的になった時には糖尿病になっているかもしれないのだ。
これによって、やっぱり人間は快楽に従って行動をするのだという事をあらためて認識することになった。
例えば、甘いものに快感を感じてしまい肥満などに悩んでいる人は、ジョギングや筋トレを一定期間続けて、自分の身体が大きくなっていく過程をチェックしていくといいだろう。自分の努力が成果を出しながら、自分が美しくなっていく様を見るのは快感以外の何物でもない。その快感のためならば、甘いものなど口にすることはなくなるはずだ。
この様に、何かをストイックにやっている人も、実は別の何かに依存している可能性があると考えれば、自分が何かに依存していることも少しは認めてあげられるようになる。「自分はだらしがない人間で…」といったネガティブな思考になると、余計そのストレスを酒や甘いもので解消したくなる。
何かを辞めたいと思っている人は根性論で努力をするのではなく、快楽に従順である人間の特性を理解しながら、あまり害のない別の何かにハマることをおすすめする。僕もしばらくはシュークリームやチョコレートをたくさん食べるつもりだ。