
本当の原因を考える|ビールは太るのか、コンビニ弁当は不摂生なのか
現代において健康は最も興味を持たれているトピックのひとつだと思う。その証拠に、身近な友人でも会社の同僚でも、よく食生活の話題は上がり誰もが健康に気を遣った食生活を意識していることがよくわかる。
そういった会話の文脈で出てくる話題が太るかどうかであり、太ってしまわないように食生活を意識したり運動をしたりしている人が多い。
僕はここ最近は特に健康的な食生活を意識していないし、運動もあまりしなくなってしまった。だけど、こういった会話が生じた時は、話を振られることが多い。
それは僕の体重が50kg未満の痩せ型だからであり、その痩せた身体でありながら「普段は何食べてるんですか?」と聞かれるが「いつもマクドナルドを食べてる」とか「夜中にコンビニ弁当を食べてる」といった回答をするから「え~!」みたいな反応が返ってくることが多い。
これにはもちろん理由があって、僕は20代の頃に胃がんに罹って胃を全摘出しているからに他ならない。胃がない身体で太ることなどできっこないのだ。
また、「ジャンクな食事をしても問題ない」というより「食べないよりマシ」という側面が大きい。栄養を意識したところでそもそも食事量が少なくなってしまったら、エネルギーが補給できなくなる。薬も飲んでいるから結局ここまで何とかなっているのだ。
もちろん、こういった事実を会話の時に伝えているわけではないので「え~なんで?」「うらやましい」みたいなリアクションを聞きつつ「まぁそれは胃がないからなんだが」と心のなかで呟いているに過ぎない。
そしてこういった「本当の理由」を知った状態で、みんなのリアクションを見ていると、世の中では「本当の理由」に触れないまま噂ベースで健康情報を信じている人がたくさんいるもんだな、と思う様になった。
「ビールは太る」と言われているが、結局のところ、ビールと一緒にたくさん食べている食事が太る原因だと思う。
お茶碗一杯分のご飯(150g)から摂取する糖質量は55gもあるが、500ml缶のビールの糖質は15.5gだ。つまり糖質だけの観点で言うと、ご飯一杯を食べることはビールロング缶を4本弱飲むのに等しい糖質摂取量なのだから、「ビールは太る」って本当なのか?とよく思う。
コンビニ弁当ばかり食べていると健康を害すると言うけれど、その理由はおそらく、コンビニ弁当の充実したラインナップによって、自分が食べたいものばかり選んでしまうからに過ぎない。コンビニ弁当は偏ったチョイスをしやすくなるだけで、コンビニ弁当が悪いもので構成されているわけではない。
まぁもちろん、ビールもコンビニ弁当も「身体に良い」と言えるわけではないが、要するに「本当の理由」というのは、そういったイメージとは別に存在しそうなので「あまり表面的な理由で食事制限をしない方がストレスのない食生活を送れて楽しいものですよ」という事を言いたいだけだ。
胃のない僕からすると、腹いっぱい食べれる人たちがそれを自ら制限してストレスを溜めているのは、非常にもったいないことだ。
美味いものはたくさん食べた方が幸福度は高まるだろう。「本当の理由」をうまく理解して、ストレスなく美味しいものをたくさん食べて欲しい。