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身体に良いマクドナルド

ここ最近はどうも酒量が増えてしまい、休肝日が作れず、毎朝起きる度に前夜の飲酒を後悔するような日々が続いていた。

肝臓は通称「沈黙の臓器」と言われていることから、体感としては何ともなくても、何か異常があったら…と考えると不安にはなる。

そこで、1週間ほど酒を辞めてみた。忙しいなか帰宅すると飲みたくなるが、それを思い切って断つことにしたのだ。(何度か失敗したが)

それによって睡眠の質は上がり、寝起きも気分が良くなり、肝臓への不安もいくらか軽減されて良い気分が続いてる。

何よりも読書をする時間が格段に増して、知的な生活ができる喜びを噛み締めている。酔って音楽を聞きながらだらしなく寝落ちするより、本を読みながら物思いに耽って安らかに眠りにつく方が有意義に決まっている。

さて、それでは僕はどうやって酒を辞めたのか(辞めたとは言い難いが)

仕事が終わって空腹状態の時、疲れや仕事の達成感も相まって、僕は酒を飲みたくなる。売上やノルマ達成、顧客クレームや人材育成など、現実的な世界からいち早く解き放たれるためにさっさと酔っ払ってしまいたい。

そうして家路についている途中に酒への欲望が増すことはわかっていた。だから、そうなる前に何か対処がしたい。

そこで、仕事が終わってすぐに食事を食べてしまうことを思いついた。しかも、それが楽しい食事ならばなお良い。自宅の酒より早くて楽しいものを用意すれば良い。

それが職場の近くにあるマクドナルドだった。ハンバーガーならば食べながら読書までできる。

だから今は毎晩仕事終わりにマクドナルドに駆け込んでいる。メニューは倍チキチーとコーラのLサイズ。これがめちゃくちゃ美味しい。

仕事終わりにコーラをゴクゴクと飲めば、まるで生ビールを飲んでいる様な爽快感が味わえて、この時点で酒がいらないと思える。

仕事終わりの疲労があっても、チキンが倍詰め込まれていると食べ応えがあって満足感は非常に高い。ハンバーガーを頬張り、本を読み、コーラをゴクゴクと飲み、またハンバーガーを頬張り…を繰り返していく。

こうして読書をしながらゆっくり倍チキチーを食べ終えると、僕の少食なお腹では既に満腹になる。満腹になると不思議なことに酒を飲みたい気持ちは消え失せているのだ。

さて、ここでひとつ考えてみたい。マクドナルドと言えば、ジャンクフードのシンボルの様な存在である。

酒を辞めて健康的になったかと思えば、毎晩マクドナルドを食べているわけで、これってほんとに身体にいいんだろうか?

肝臓への負担で言えば、毎晩マクドナルドを食べることで禁酒ができていれば、だいぶ身体に良い生活に変わったと思う。

肝臓の役割は主に代謝を促進させて体内の物質を解毒することだが、酒を年中飲んでいると肝臓はアルコールの分解にばかり機能するようになる。酒を辞めることで、本来吸収すべきだった栄養素の吸収も促進され解毒作用も高まって代謝が良くなる。

しかし、肝心の食生活はハンバーガーなので、バンズとチキンとレタスとソースがしっかりと吸収されるように置き換わるだけな気もする。

一方で、酒を飲んでいる時に僕が食べているものは、冷奴や納豆だったりする。日本酒を飲みつつ、これらをちびちびとつまんでおり、意識せずともベジタリアンの食事のようになっているのだ。肝臓のことだけ棚にあげてしまえば、だいぶ健康的な食生活な気もしてくる。

こうして「身体に良いもの」について考えてみたら、何だかめんどくさくなってきてしまった。どちらも美味しいわけだし、どっちでもいいんじゃないかと。

老齢90歳を超えて未だ現役のウォーレン・バフェットは毎朝マクドナルドを食べているし、自称「アル中」ハイマー作家の山田風太郎も毎晩ウイスキーをボトル3分の1も飲みつつ、80歳近くまで長生きしていた。

結局のところ「身体に良いもの」の正解はないんじゃないか。自分が納得できるように自分の頭で考えて、自分の健康は自己責任、そのうえで好きなものを選んで食べていくのが良いのだと思う。

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