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冷めても美味しいものを探す|鯖そうめんに学ぶ

僕は人よりも物を食べるスピードが遅く、例えばラーメンを食べると食べ終わるまでにスープは冷めて麺も少し伸びてしまっています。

これは20代前半に胃を摘出する手術をしたからであり、冷めるまでに食べようとしても、そもそも身体の構造上のことなので無理はせずに諦めることにしています。

そのため、熱々の食べ物を冷めるまでに素早く食べる努力をするよりも、そもそも冷めていても美味しいものを探す努力をした方が無難だと気づき、冷めても美味しいものを探し始めました。

例えばしっかりと味を漬け込んだ鶏の唐揚げなどは、揚げたての時のサクサク感はなくても、染み込んだ味は冷めていてもとても美味しく、充分に満足することができます。

この様にいろいろと探しましたが、今のところ、もっとも重宝しているが「そうめん」です。そもそも冷たくして食べるのが一般的なものを食べれば、熱々の食事が冷めてしまう焦りを感じることなどなくなります。

茹でたそうめんを冷水でしめて、鯖缶を載せて刻み葱をちらして食べれば簡単なうえに美味しく、時間をかけてゆっくり食べてもずっと美味しいままです。

実は鯖とそうめんは滋賀県の湖北地方の長浜で古くから食べられている郷土料理で、長浜に行くとお店で「鯖そうめん」を食べることができます。

長浜の成駒家の「焼さばそうめん」

長浜は福井県で水揚げされた鯖を京都まで運ぶ「鯖街道」と呼ばれていた地域です。ここで生まれた郷土料理が「鯖そうめん」ですが、この地方の人たちだけでなく、日本人全員の口にあう料理だと思います。

お店のクオリティは出せなくとも、自宅でも再現可能なので、鯖缶を活用してよく食べています。そうめんも鯖缶も保存が効く食品なので、節約生活にも役立ちます。タンパク質も取れますが、決して脂っこくないのでヘルシーでもあります。

熱々の食べ物を熱々のまま食べ切ることができないハンディキャップに悔しい気持ちを抱くことは多いですが、それにより、冷めても美味しいものを探して見つけたのが「鯖そうめん」です。何か困難があったら別の道を探せば、こうして何らかの答えに辿り着けるもののようです。

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