2024.11.30(土)の日経歌壇に俺の短歌が掲載された
2024.11.30(土)の日本経済新聞の日経歌壇(穂村弘選)に、俺の短歌が掲載されたので紹介したい。前回の掲載から3週間ぶりの掲載である。ペンネームは、石井啄也。これだ❗
俺は昔は競馬が好きで、10年くらい前まではよく競馬観戦をしていた。今では全く興味がなくなったが、好きだった馬のレースのVTRは今でもたまに見る。
なかでもよく見るのは、1993年の有馬記念という年末の大レースの映像だ。このレースにはトウカイテイオーという馬が出走していた。鹿毛(かげ)と呼ばれる茶色の馬体で、額から鼻筋にかけて白い流星のような模様があって美しい馬だった。
彼は、前年の有馬記念で負けてから脚を骨折。この年の有馬記念は1年ぶりのレースだった。怪我明けでしかも1年のブランクがあるこの馬が勝つと予想している人は、ほとんどいなかった。この年の有馬記念は、過去最高レベルとも言われるほど強い馬が揃ってもいた。
レースが始まり、ラスト200メートルで先頭に立ったのは1番人気のビワハヤヒデ。そのまま押しきると誰もが思ったその時、後ろから凄い勢いでやってきた馬がいた。トウカイテイオーだ。実況の声がかき消されるような大歓声。灰色の馬体に、鹿毛の馬体が並ぶ。そして、かわしてゴール!
実況が叫ぶ。「トウカイテイオー、奇跡の復活!」「こんなことがあるんでしょうか?」
レース後のインタビューで、騎手が「本当に凄い馬です」と言ったあと、ガッツポーズをしなかった理由を「下手に手でもあげて馬が脚をぶつけたりしたらと思うと、手はあげれませんでした」と明かした。
途中、感極まったのか騎手が涙声になって声がつまりそうになった。その時、後ろでうつむいてメモをとっていた記者が全員ビックリしたような表情で顔をあげた。そのシーンがなぜか深く印象に残って短歌にした。
選者に、心から感謝したい。