事業会社初心者の私が行き着いた、SANUのクリエイティブとブランディングとは。
SANUチームが人生と仕事について語るシリーズ。毎週1名ずつ、自身の言葉でnoteとWantedlyにて記事を公開します。今回はブランディング・クリエイティブ領域を担う水谷 彩です。
2021年10月、私は社会人8年目にして、初めて事業会社に就職した。その就職先が、主幹事業「SANU 2nd Home」のリリースを約1ヶ月後に控えたゴリゴリのスタートアップ、SANUだ。
それまで全く異なる業界にいた私にとって、オフィスを飛び交う言葉から、働き方、思考の仕方まで、何をとっても「未知の世界」と言えるほどに、SANU、そして事業会社はそれまでの環境と全く違い、新しかった。入社当時はスタートアップならではのスピード感とカオスに高揚感を覚える時もあれば、周りのスピードに追いつけず、自分は場違いなのではと時に不安に駆られる毎日の連続だった。
社会人8年目にして新卒社員ばりに右往左往していた私が、今やこの会社でクリエイティブとブランディングの2つを担っている。SANUという新天地で、それらに私がどう向き合い、取り組んできたかを少しだけお話ししたい。
領域横断するSANUのクリエイティブ
SANUは、人と自然が共生する社会の実現を目指して生まれたライフスタイルブランドだ。
メンバーシップ制セカンドホームサービス「SANU 2nd Home」を通して、「自然と共に生きる」暮らしを人々に提案し、自然に対する自発的でポジティブなアクションを取る仲間をこの地球上に増やすことをミッションに掲げている。
このミッションとサービスを世の中に発信するマーケティングPRから、サブスクメンバー(以後「SANUメンバー」)の「自然と共に生きる」暮らしをより豊かな体験にするカスタマーサクセスまで、クリエイティブの力でひとつ一つのアイディアやアクションにSANUらしさを与え、具現化するのが私の仕事だ。
リアルからオンラインまで、守備範囲の広いカスタマーサクセス
リアルな体験を提供するSANU 2nd Homeのカスタマーサクセスの担当領域は、自然の中での体験デザインからオンライン・オフラインのコミュニケーションまでとにかく幅広い。当然、クリエイティブとして関わる分野も広く、メンバー向けのニュースレターや滞在施設に置く定期刊行の冊子などの読み物から、施設内のサインやリアルイベントまで、ありとあらゆる体験・コミュニケーションの企画から実行の一切を引き受ける。
新しくオープンする拠点があれば、現地を訪れ近隣の魅力的なスポットやお店をリサーチしたり、定期の記事コンテンツでは自ら取材・執筆するほか、編集や撮影の指揮を取ることもある。滞在施設の中に置くサインひとつでも、つい手に取ってみたくなるようなワクワクする仕掛けをひたすら考えることもある。
自然と共に生きる日常を心から楽しんでもらい、有意義に過ごしてもらいたいから、現地を訪れて、実際に土地の自然や文化、日常に触れ、自分たちが感動したものを伝えたい。そして、自然の中での暮らしが魅力に溢れた時間になるような工夫をあちこちにしかけたい。そんな思いがあるからこそ、自分たちで作ることにこだわりを持っている。
ビジョンを掲げ、感性に訴えるマーケティングPRを目指して
SANU 2nd Homeは、これまで世の中になかった新しいサービスなので、「セカンドホーム」という新しいコンセプトを理解してもらい、自然や自然の中での暮らしの魅力を知ってもらうことは、マーケティングPR領域においては特に重要な課題だ。生活者が持つ潜在的な欲求に光を当てながら、表層的な事柄ではなく「自然と共に生きる」ことの本質を伝えつつ、理屈ではなく感性に訴えかける表現を生み出すことは、極めて難しい。それでも、そんな屁理屈を抜きにして自然の中に出かけたら素直に「気持ちいい」「心地いい」と誰もが感じる感覚を呼び覚ますような、五感をひらくような表現を追求し続けたい。
それは、ある時に自然の中に佇む建築で送る暮らしの1シーンを捉えた写真であり、ふとした瞬間に心を奪われる自然の美しさを捉えた映像であり、自然を前にした時の粟立つ感覚を呼び起こす言葉の集合など、無限通りの選択肢があるだろう。自然が私たち人間にもたらす作用や魅力を、実際の体験や体感にはほど遠くとも、多くの人に届け、その存在に気づいてもらうことが、きっとSANUの使命なのだと思う。
SANUのクリエイティブの流儀
これまで私が任されたプロジェクトは全て、信頼できる外部のクリエイターやパートナーの存在があったからこそ実現することができた。そのほとんどが自分の専門領域ではないものであったが、前職で培ったものを駆使しつつ、新しい知識やスキルを身につけ、付け焼き刃ながらもなんとかここまでやってこれた。
自分にその領域のバックグラウンドがないからといって、クリエイターに発注したら「あとは全部お任せ」ということはSANUでは一切ない。むしろ、その領域の知識がないからこそ、外部のクリエイター・パートナーに学びながら、彼らがより深くブランドやサービスを理解できるようにアシストし、一緒に思考することで、よりSANUらしいものをとことん追求してきた。
前提が異なるもの同士だからこそ、対話を続け、同じ時間を過ごすことで信頼と共感覚が生まれる。そして、その先にこそ、とびきりのアイディアが生まれるのだと思う。それゆえ、SANUではそのプロセスを大切にしている。
「Live with nature.」の引力
就職活動に中指を突き立てて放棄した時から変わらず、私は自分が納得のいかないことを受け入れることが不得意で、自分の信念にそぐわないことはやりたくないという想いが人一倍強い。だからこそ、自分の信念と対立するリスクの少ない美術という世界に最初の職を求めた。そんな私にとって、SANUへの入社の決め手は創業者でありブランドディレクターの本間が放ったこの一言だった。
「都会に暮らすシングルマザーも、毎月一度子供とSANU 2nd Homeに、自然に遊びに行けるくらい、このサービスの裾野を広げたい」。
「Live with nature.」は途方もなくスケールが大きい。そして、文字通り「すべての人」に提案できる懐の深さを持つ。この壮大なテーマは、間違いなく自分が心血を注ぐことができるものだと、今も変わらず信じ続けている。そしてまた、この理念があるからこそ、心からSANUに共感し、全力で関わってくれる素晴らしいクリエイター、ステークホルダーの方々に巡り合い、素晴らしいものづくりができている。
SANUというブランドに血を通わせ、形作ること
SANUという生まれたばかりのブランドはまだ柔らかい。
それゆえ、社会に届ける価値も、ナラティブも、届け方も全部自分たちで1から思考し、社会に届けるところまで一気通貫で実行できる。あらかじめ決められたラインからはみ出ないようにするのでも、軌道修正をするわけでもなく、自分たちで自由に今とその先の未来を描いていける。
ブランドは、昨日や今日や明日の話ではなく、来し方と未来のずっと先まで繋がっている。このブランドが社会に何を提供し、それによって社会がどう変わるのか?自分たちが描く未来から逆算して、明日歩むべき道を導き出し、この組織を鼓舞し、支え続けるコンパスのような存在であり続けたいと思う。
「Live with nature.」から生み出されたものたち
最後に、私がこれまで取り組んできたことの一部を紹介したい。どれをとっても、SANU/SANU 2nd Homeにとって大切なマイルストーンであり、「Live with nature.」という信念のもとに集った人々と妥協せず全力で取り組んだ自負があり、控えめに言って、どれも「最高傑作」だ。
SANUはまだまだ規模も小さくプロジェクトごとにかけられる予算は多くない。それゆえにできることが限られることはあるが、自分たちの意志を貫き進めることに大きな障害はない。お金があっても制約ばかりのフィールドより、自分たちが納得するまでこだわれる自由がある。きっと自分で会社を興さない限り、こんな自由を存分に楽しめるチャンスはなかなかないのではないかと思う。
自分が心から正しいと信じる、「自然と共に生きる」生き方を世の中に提案できる歓び。
そして、その信念や価値観を、熱意と才能を持った人々と共に、世の中の人の心を動かすような最高の形を与え生み出すことの歓び。
この歓びを共有できる情熱とユーモアがあれば、どんなバックグラウンドの方でもきっとこの会社で活躍できると思います。
私たちと一緒に、このブランドを愛し、育ててくれる仲間を心からお待ちしています。