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いまが過去になるとき
お客さんとこで打ち合わせの後、
なんとか無事に終わったので、みんなでごはんを食べた
コンビニの店員さんが話題になった
日本だけど、店員もお客さんも外国人で
おそらくその国の母国語で客と店員が喧嘩してたとか
その中にいる日本人の自分が不思議な気持ちになるとか
子連れで行くとめっちゃ優しくしてくれる店員さんとかが話題になった
ひとりの男の子が、いま平和だと思います、いい時代ですよね、といったので
季節と花
夜、帰るとき、22時とか23時
暗くて、少し涼しくて、いい匂いがして、
それは薔薇の花でした
気づいたら、少し歩くたびに、薔薇の匂いがして、
わたしの通勤路は大小さまざまな薔薇が植わってて
近くに行ったら色がぼんやり浮かんでて
その季節だと知ったのでした
風が強くて小雨が降って桜の散る心配をしている
改札を出ると、雨は傘がいらないくらいになっていた。
薄いコートの襟を立てて歩き出した。
雨に濡れたアスファルトは、頭上を通る電車や信号の青、
車のライトで彩られていて、信号を渡りながらぼんやり見ていた。
身近なひとが、思いもかけないタイミングで命を失った。
心構えができていないというのは、つらいのだった。思い出した。
これから先、こういうことが増えていくのだと気づいた。
私はひとより
短文
気にかけてくれる人がいる、このきちんとしたおにぎりみたいに。涙を飲み込みもぐもぐ食べた。雨が桜を散らしていた。
短文
桜は饒舌だ、桜は妖艶だ
桜は何も語らない
私たちは桜についてあれこれ話すけれど
短文
あと2キロも歩けば海につながるはずのこの川だが、まだ潮の匂いはしない。
それをまたいで走る幹線道路の隙間をぬって、高層マンションがばんばん建っている。
私はそのマンションひとつにいくつ窓があるかを数える。
窓の向こうにいる誰かのことを考える。
あの部屋で今日も灯りを消すあの人、は私が今あなたのことを考えてることを知らない。
短文
私のたましいのいくばくかは、あなたのところにあると思っている
とても勝手だけれど、許してほしい
あなたは、いいよ、と言った