見出し画像

老人ホーム見学ツアーレポート2024年9月編「特養があると思うと安心できる」

9月も、はる社会福祉士事務所オリジナル企画
「老人ホーム見学ツアー」を開催しました。
今回は、老人ホーム見学ツアー
(以下、見学ツアー)初となる
特別養護老人ホームへ行ってきました。

過去のレポートはこちら↓


見学ツアーの概要

1.老人ホームの概要

種類:特別養護老人ホーム
(介護老人福祉施設)
入居時の介護度:要介護3~要介護5(特例あり)
入居金:なし
月額費用:所得、介護度、居室タイプなどによる

2.見学ツアーの流れ

館内見学→概要説明→質疑応答
→カフェに移動し、ミニ講座、座談会

今回の見学ツアーの内容

1.特別養護老人ホームとは

今回の見学先は、特別養護老人ホームです。
特別養護老人ホームとは、
常に介護を必要とし、ご自宅での生活が困難な
高齢者が介護サービスを受けられる
入居施設です。
略して「特養」とも言われています。
(以下、特養)
特養は、介護施設の中で比較的費用が安いのが
特徴です。

また、特養の中でも、多床室(大部屋)は
費用が抑えられるため、人気が高い
傾向にあります。

特養での生活を見学しました

2.老人ホームについて学ぶ意義

特養の運営をしている社会福祉法人の
管理職AさんとBさんが、館内案内、概要説明、
質疑応答に対応してくださいました。

参加者のみなさんからの質問
「入居者さんは日中何をして
過ごしているのですか?」
「楽しみにされていることは?」
「入居する手続きは?」
「希望する部屋に入ることはできますか?」
「介護員さんは公務員ですか?」
などなど、多くの質問が出ました。

Bさんからは、「私は20年介護福祉の世界で
働いていますが、そんな私でも老人ホームの
種類や内容をすべては把握できていません。
それほど老人ホームの種類は多く、複雑です。
今日、こうしてわからないことをしっかりと
質問して学ぶ時間は、みなさんにとって
有意義だと思います」と、お話いただきました。

また、気になる料金について、
Aさんから詳細な説明をしていただきました。

特養の料金は、介護度、介護保険負担割合、
特養の加算、世帯所得、部屋の種類などで
決まるため、何パターンもあります。
料金表を使って、目安を教えていただきました。

3.どうすれば特養に入居しやすくなる?

「特養〇年待ち」と耳にしたことがある方は
多いのではないでしょうか。
実際は、地域、タイミングなどによって、
待機期間は様々で、申込みから入居まで
数週間しかかからないという場合もあります。

では、スムーズに入居するコツは
あるのでしょうか?
Aさんからかなり具体的な方法を
教えていただきました。
「ここだけの話」というお約束だったので
詳細は書けませんが、要するに
「特養での生活を理解することが入居への近道」
ということでした。

特養に限らずですが、
「老人ホームだから○○してくれて当然」という
思い込みで老人ホームに入居し、
後から「当てが外れた」
「思っていたのと違っていた」と
トラブルに発展することが少なくありません。

入居者側、老人ホーム側、双方のために
そこがどういうサービスを提供しているのかを
しっかり把握してから入居を決めたいですね。

ミニ講座 座談会

1.料金シミュレーション

見学終了後は、カフェに移動してミニ講座と
座談会です。

今回のテーマは「特養の料金」です。
居室の種類、利用できる費用が安くなる
制度などについて、
厚生労働省の資料を使いながら解説しました。

例えば、年金収入が多い方と少ない方で、
同じタイプの居室、同じ介護度の場合、
料金の差はいくらなのかを、
シミュレーションしました。
参加者の方からは
「この程度の負担で特養に入れるなら安心です」と
声が上がっていました。

2.座談会での声

見学後の率直なご感想を伺いました。
「思っていたより、建物が新しく、明るかった」
「他の特養と比較してどうなのかを
知りたくなりました」
「さみしい雰囲気で、悲しくなってしまいました」
「入りたくないなと思いました。
1日でも長く介護がいらない生活をしたいと
思いました」
「開放感がありましたね」
「Aさん、Bさんの説明がわかりやすかった」
「Aさん、Bさんの仕事のやりがいは何なのかが
気になりました。お二人とも大変しっかり
されていて、頼もしさを感じました」
「以前見学した有料老人ホームとの違い、
差を感じてしまいました。料金が違うと、
こうも違うものなのかと」
「自分の入りたい老人ホームに入るために、
資金を貯めようと改めて思いました」
「スタッフの方が熱心にお仕事されていて
尊敬の気持ちで見ていました」

3.元 特養職員の私が思うこと

私は20代の頃、特養で介護員をしていました。
私が勤務していたころに比べて、
今の方が介護員不足は深刻です。
Aさんからも「当施設の介護員の30%は
外国人です。
しかも介護員の高齢化も深刻です。
これはうちだけではなく、どの特養でも言える
ことだと思います」と説明がありました。

ミニ講座でもお話しましたが、
超高齢社会である日本で、
経済的に厳しい方も、そうでない方も、
ご自宅では暮らせない要介護状態の
ほとんどの方が介護を受けられ、
清潔なベッドで横になれるのは、
特養で働いている方々がいるからでは
ないでしょうか。

決して良いとは言えない労働条件の下で
働いている方々の存在を知っていただきたい、
今の介護員不足は何が原因で、
どうすれば安心して年を取れる社会になるのか、
一緒に考える時間にしたい。
そんな意味を込めた今回の見学ツアーでした。

最後に参加者のおひとりがおっしゃった
言葉をご紹介します。
「特養があると思うと安心できます。
もしも経済的に困窮しても、ここ(見学先)に
入れていただけたら、ありがたいと思います」

介護サービスが受けられるとはどういうことなのか

次回の老人ホーム見学ツアー(10月)

次回の老人ホーム見学ツアーは、
10月10日(木)と10月25日(金)を
予定しています。
(1回の定員が通常より少ないため、
2回同じ老人ホームに行きます)

見学ツアー初の「ランチ付き」です。
お食事がおいしいと評判の老人ホームなので
みなさんに味わっていただこうと思っています。


詳細は、9月18日(水)頃にLINE公式アカウントから
お知らせします。

ご期待ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
はる社会福祉士事務所 代表
社会福祉士 佐々木 さやか


いいなと思ったら応援しよう!