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認知症グループホームの選び方 老人ホーム見学ツアー11月レポート

今月の老人ホーム見学ツアーでは、初めて認知症グループホーム(以下、グループホーム)を見学しました。


グループホームとは

正式には「認知症対応型共同生活介護」と言い、認知症のある人が、少人数(5人から9人)を単位とした共同生活を送る施設です。
家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、その人の能力に応じた家事などをスタッフと一緒に行います。

個人差はありますが、認知症のある人は多人数の中で暮らすことや馴染みのない人に介護されることを苦手と感じやすい傾向にあります。
その点グループホームは少人数制のため馴染みのある人と生活ができます。

認知症になっても、何もかもできなくなる、わからなくなるわけではありません。その人のできることを奪ってしまわない、その人らしい暮らしができるように介護する、それがグループホームで行われている介護です。

昔は、身体能力の低下などで介護度が上がると、特養などへの住み替えを勧めるグループホームが多かったのですが、最近ではご家族の要望などから介護度が上がっても住み続ける方が増えています。
それにより、家事やレクリエーション、外出などの機会が減ることは避けられず、”グループホームの特養化”と表現されることもあります。

入居条件

・65歳以上の高齢者で、「要支援2~要介護5」の認定を受けている方、または、65歳未満の若年性認知症、初老期認知症と診断された、「要支援2~要介護5」の認定を受けている方
・医師により認知症の診断を受けた方
・施設と同じ市区町村に住民票がある方
・集団生活に支障のない方(感染症にかかっていない、共同生活に適応できるなど、施設によって設定)

費用(大阪府の場合)

入居金:0円~30万円程度
月額費用:約13万円+介護費+医療費+その他
あくまでも目安です。

選び方のポイント

太字→グループホームでは特に大切なポイントです。
・施設内全体の雰囲気
・入居者、職員の表情
・管理者からの説明(人員配置、認知症介護への試行錯誤など)
・掃除が行き届いているか、洗剤など誤って口にしていまうと危険な物が片付けられているか
・レクリエーションの頻度、内容
・個人の能力を活かした生活ができるか
・入居率
・地域からの信頼
・食事
・医療体制(一般的なグループホームは医療体制が弱い)
・費用

グループホームは、認知症になっても住み慣れた地域で暮らすための老人ホームです

老人ホーム見学ツアー11月

大阪府堺市にあるグループホームを見学しました。

選定理由

今回このグループホームを見学先に選んだ理由は2つあります。

1.介護員さんのお人柄
認知症のある方にとって、不安や急激な環境の変化は大きなストレスがかかると言われています。安心できる環境で生活することで、様々な症状(過度な興奮、混乱など)が和らぎます。
ベテランの職員さんが多いということで、穏やかな介護をされているところに魅力を感じました。
認知症介護の難しさについても、ありのままにご説明いただけたことが一番の選定理由となりました。

2.医療体制の充実
前述したとおり、一般的なグループホームは医療ケアが脆弱です。看護師の配置も義務付けられていません。
しかし、今回の見学先は医療ケアが充実しています。
例えば認知症が原因の強い症状(暴言、不眠、いら立ちなど)が出た場合。介護員の対応で治まるとは限りません。そんな時は、普段の生活を知っている医師が迅速に薬を処方します。対応が早いので、過剰な処方がありません。
それによりご本人も介護する人も穏やかに暮らせます。

詳細は書けませんが、「医療と介護の連携」がスムーズにできている、かなり珍しいグループホームと言えるでしょう。

参加者様のご感想

「グループホームという概念が変わりました」
「将来入居しても大丈夫な所と思いました」
「施設の清潔さが気持ちよかった」
「入居されている方の表情が穏やかで、認知症の方へのイメージが変わりました」
「地域から信頼されていることがわかりました」
「自宅から近いホームだったので、良い所を知ることができて良かったです」

座談会

見学後には、ミニ講座と座談会があります。
今回参加された方から、嬉しいメッセージをいただきました。

終活に取り組もうとしても、何をすればいいのかわからなかったり、自分がどうしたいかがわからなかったりして、思うように進まないお客さまはたくさんいらっしゃいます。
座談会では、老人ホーム選びだけではなく、老後の生活全般について意見交換が行なわれます。

自分の思いを聞いてもらい、また他の方の悩みを聞いたりするうちに、自分が今何をすればよいのかがわかるきっかけとなります。
「人と話す」「自分の思いを語る」「他の人の考えを聴く」どれも大切だと私は考えています。

終活は、インプットとアウトプットを繰り返しながら進んでいくのかもしれません。



来月12月の老人ホーム見学ツアーは、参加者募集中です。
こちらからご覧ください。


最後までお読みいただきありがとうございました。

はる社会福祉士事務所
代表 佐々木 さやか


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