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新たに”農”をはじめるときに、まず知っておきたい!~心構え編~

 近年、田舎暮らしの良さが見直され都市部から田舎に移住したり、平日は都市部で過ごし、週末を田舎で過ごす、という方が増えてきています。
また、そうしたいと考えている方は最近の社会状況の影響もあり、ここ2~3年で大きく増加しているといわれています。

 移住や二拠点居住を考えている方は、キャンプが好きだったり、農作業に興味があったり・・・
農業で稼ぐつもりは無くとも、自分たちが食べる分だけ作れたら良いなと考える方が多数ではないでしょうか。
※ここでは、自給的なものを含めて”農”と表記します。”農業”と書かれている場合は、特に、販売をする営農を示すこととします。


 そこで!参農サポートセンター1回目のトピックは、ずばり「これまで”農”に携わった事が無い人が”農”を始めるにあたり、まず知っておきたい!~心構え編~」として、「南丹市版田舎農業のてびき 」より内容を抜粋して、お届けします。

地域の中の”農”


 自給的な”農”であっても、営農の”農業”であっても、一人や家族だけで作業するイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際は違うんです。
理由は以下の通りです。

①農地で使う水を供給するため池や用水路、、使った水を流す排水路は、複数の農地で利用されており、地域のみんなが共同で管理している。

➁シカやイノシシなどの動物から農作物を守る獣害防除柵(電柵やネット、金網など)は、穴や欠損が少しでもあるとそこから獣に入られてしまう。入ってくると周りの農地全体に被害が出てしまう。(集落で複数の所有者の農地をまとめて囲っている場合)

③ある農地で発生した害虫は、その農地だけに留まるのではなく、周りの農地まで広がり、広い範囲で被害を与えてしまう。

④田舎の綺麗な風景は、地域住民が定期的に草刈りなどをして保っている。丁寧な人の手がはいってこその美しい里山がある。

・・・などなど。
宅地などとは違い、”農”を営むための「農地」には、個人だけではない、地域とのつながりがあることがご理解いただけたでしょうか。”農”に携わるには、地域社会のつながりの中でやっていく、という心構えが必要なのです。

南丹市の里山風景:丁寧な”農”の暮らしが息づいている

じゃあ、どうしたらいの??

では、上記をふまえて、実際にできること、心がけることを見ていきましょう。

①用水路の水は地域みんなで分け合うので、必要な時に必要な分だけを貰う様にしましょう。せき止めたりさせない様に気をつけましょう。わからないことは地域の農業者の方に聞く!

②電気柵は草が当たると漏電して弱くなり、効き目が無くなります。また、水路の周りの草が伸びていると漂流物等が引っかかって流れがせき止められます。(下の写真「草刈りのチェックポイント」を参照!)
景観維持にもつながるので、草刈りをキチンやりましょう。

③金網やネットに穴や欠損がないか、電柵の断線や漏電がないか気をつけて管理しましょう。田畑を荒らされてから気づく、ということがないように!
(下の写真「獣害対策のチェックポイント」を参照!)

④農道や水路は地域の共同財産です。機能維持の為に地域が共同で草刈りをすることことがあります。積極的に参加しましょう。

草刈りのチェックポイント
獣害対策のチェックポイント


 いかがでしょうか。地域の中で”農”のために農地をあつかうこと、のイメージが少しわいてきましたか?

 農業をする上で大切な事は、農作物を美味しくつくる事だけではありません。地域で守ってきた美しい風景や環境を一緒になって守っていく、という意識が必要なのです。

 例えば、最近は農薬など科学的なものを使わない自然農法も流行ってきていますが、現在広く実施されている慣行農法より手間と時間がかかります。そのせいで草刈りが出来ないというのは、自分のやりたい事を優先してみなが守ってきたものをないがしろにする事に繋がります。
 
 ”農”に限ってのことではありませんが、「地域とのつながり」ということにおいては、都市と田舎は違うことがたくさんあります。そして、”農”にかかわること、農地を利用することにおいてはさらに、地域の一員として、自分だけの農地ではなく、周辺も含めた範囲をみんなで守っていくという気持ちや理解を持って取り組むことが大事なのですね。

 さて、ここででてきた「草刈り」や「電柵」ってどうやってしたらいいの?さらには実際に農地を耕すための耕運機、鍬など、いろいろな道具を実際どうやって使うの?、農地はどうやって取得するの?など初めての時はいろいろと疑問があるともいます。今後はそういったトピックにも触れていきたいと思います。次回をお楽しみに・・・

参考資料:田舎農業のてびき
https://www.nancla.jp/wp-content/uploads/2023/09/tebiki.pdf


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