挑戦を続ける、浜松仲卸のSANKO海商はどう変わったか?Vol.18
皆さま、こんにちは!
2021年11月にSANKOグループに入ったSANKO海商の遍歴を知る男、T専務に浜松で取材をいたしました。会社の転換期に加え、卸売流通業界も大きく変わろうとしている現状をどう見ているのでしょうか。
T専務にとって、SANKO海商とは?
SANKO海商の前身となる会社で29年間やってきて、じゃあいきなり新しい会社として変われるのかという不安も正直かなりありました。旧海商が無くなり取引先が減少して頭を下げてまわる日々の自分たちを迎えいれてくれて、SANKO本社からも人が来て、今までの自分たちの仕事の取組みや進め方を見直すきっかけになりました。こうすれば会社は変われるという道筋が見え、新しいSANKO海商をみんなで作っていこうと、会社の雰囲気も変わってきましたね。
SANKO海商となって、業務への取り組みは変わりましたか?
変わりました。特に在庫管理、棚卸の徹底度合いが大きく変わりました。SANKO海商になる前から、もちろん棚卸をやっていましたが、お恥ずかしながら「やったつもり」で、実際はできていなかったんだと痛感しました。全てが合うまで、夜中まで在庫を照らし合わせて確認を繰り返す。こういったことを疎かにせず、しっかりしていくことが会社としてどれだけ大切なのかを学びました。
仲卸は特殊な仕事ですが、どういった経緯でこの世界に入られたのですか?
元々は、大型トラックで全国を回っていましたが、海商の配送部門が忙しくなり、手が回らないから手伝ってくれないかと声がかかったのが24歳の時でした。海商の配送を4年ほどして、いろんな取引先との接点ができたなという時に、当時の社長に全部署を回って仕事を覚えなさいと言われ、それから1部署に半年ずつ、全部署をまわりました。
そして「塩干(えんかん)部」に落ち着いて22年、現在に至ります。
※塩干部・・・干物や魚卵、ちりめんといった塩干物を、日本全国・海外から仕入れて販売する部署
現在の仕事で注力されていることはなんですか?
旧海商の時はいわゆる縦割りの会社で、横の連携がうまく取れていない、回っていないことがよくありました。そういったことを無くして、部署の壁を越え、みんなでワンチームとなるよう、チームビルドを始めています。今年から始めたまぐろの即売会も、みんなでやろうやろうと言い出して、即売会スタッフに入っていなくても応援に来てくれるスタッフがいたり、ワンチームとしての繋がりと喜びを感じました。新規契約をまとめてきたり、鮪一船買いの販売、移動販売の案など既にチャレンジを成し遂げたスタッフも続々と出てきています。そして仕事がスムーズに流れるようになると、売上も伸びてきました。
会社が買収吸収される体験に立ち会ったわけですが、どう考えていましたか?
民事再生で会社がなくなり、離れていったスタッフもいます。自分は同じ出来事でもネガティブにとるか、ポジティブにとるかで見え方は変わわると思っているので、これはなかなか体験できないことだとポジティブに捉えました。残ってくれたスタッフが働きやすくなることに注力し、今では前よりそれぞれのレベルが上がって明るい会社になりました。
T専務の仕事にかける夢は?
スタッフがチャレンジしたいと声をあげやすく、その意見を可能なかぎり実行に移せる風土を作りたいですね。成功すれば、成功体験がスタッフの自信に繋がるし、次のチャレンジにも繋がっていく。もちろんチャレンジと言っても、無理な背伸びはせず、自分たちの足元を固めながら、地方の水産業を発展させて雇用を生み、水産に関わる人の輪をどんどん広げて、より多くの人に魚の良さを伝えていきたいと考えています。