【詩日記】 冬
冬
ほらまた来たね
さようならの発音が嫌いで
さっきからずっと口の開け方を考えている
花束の色は黄色がいいよ
手紙は差し込まないよ
僕ら字が汚いからきっと読めない
花から香る匂いでくしゃみが出そう
くしゃみの勢いで
これがなかったことになればいい
君と手を繋ぐのはこれが最後
手と手の間に君の好きな歌を挟もう
僕は上手く歌えないけれど
君が聴かせてくれるならそれでいい
代わりにギターを弾こうか
これお気に入りなんだ
僕より綺麗な音が出るよ
どうして六弦あるかわかる?
はじめましての音だよ
だからギターにさようならは似合わない
君ならわかってくれるでしょ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?