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このレシピは入社3ヶ月目の新入社員が考えました! と言われたら
昼ごはんを買いにスーパーに行ったらこんなセリフと共にパンが並んでいた。
このレシピは入社3ヶ月目の
新入社員が考えました!
"リンゴンベリーとマスカルポーネの
ミルクハース"
手書きのPOPには、エプロンをかけた男女が胸の前でガッツポーズをしている絵が描かれている。
リンゴンベリーとは……?ミルクハースとは……?と考える前に手を伸ばしていた。
入社3ヶ月目の若い青年たちが、一生懸命考えて生み出したパン。夜遅くまで議論する姿が連想される。何個も何個も食べ比べて、一番合うブレンドを探して、3人で絶対いいもの作ろうね!と汗水流したに違いない。
これを買わずにいられるか。私も子を育てる身。いつか子ども達もこんな風に社会に出て荒波にもまれていくと考えると、少しでも応援したくなるのが親心というもの。
リンゴンベリーとマスカルポーネのミルクハースをカゴにいれ、微笑みながらパン売り場を後にした。
魚売り場に行くとまたPOPがあった。
この魚は入社3ヶ月目の新入社員が切りました!
えぇっ魚も…!?新入社員、大活躍じゃない?
そしてこのスーパー、新入社員推しが強めじゃない? この新入社員はさっきのパンを考えた子たちと同じかしら。それともまた別の子なのかしら。もし別の子ならその子のために魚も買わなくちゃ。
出刃包丁を持つのも初めての子が、うろこと格闘する姿が浮かんでくる。痛っ!とか言いながらもどうにかこうにか捌いたんだろうな……。
すごい老婆心をくすぐってくる。スーパーの戦略と分かっていても応援せずにいられない。
結局パンも魚もカゴにいれてしまった。
がんばれ、若者……!と良いことした気持ちにさせてもらったからwin-win。 今日はいい買い物をした。
自宅に帰ってリンゴンベリーとマスカルポーネのミルクハースを食べながらふと考えた。
この老婆心をくすぐる謳い文句は使えるんじゃないか、と。
(ちなみに味は、なんていうか複雑で珍しすぎて私にはちょっと合わなかった、ごめん)
さっそくnoteを開いてこんなタイトルにした。
この記事は始めて3ヶ月の新人が書きました!
え、全然読む気にならない。
老婆心わかない。
なんか、おもしろくなさそう。
私なら絶対読まない。
なんでだろう。
初々しさがプラスにはたらくのは時と場合を選ぶ、というのもある。ただ、それだけではなさそう。
私が惹かれたのは「新入社員」の部分なのかもしれない。新入社員というワードに宿るキラキラ感。新人にはない、それだけで若く青々としたイメージを彷彿させる響き。
入と人なんてほぼ同じなのに。
新入社員という4つの字の組み合わせだけが潤って見える。
残念ながら私には使えない技だということを知る。いいなぁ。「新入社員です!」と言われたら何でも許せちゃいそう。
翌日、また同じスーパーに行った。
今度は例の新入社員がレジに立っていて、レジ前には看板が立てられていた。
入社3ヶ月目の新入社員がレジの研修中です!🔰
私はそのレジにーーー
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