おきざりにした悲しみは
6年ぶりの原田宗典氏の新作。
ハマって片っ端読んでた頃から約20年、自分の結婚やら子供出来てなんやらかんやらあって、読書そのものしなくなって、
作者自身にもなんやらかんやらあって、
最近ふと、あの人どうしてるんだろうと思い出す時があった。調べてみたら昨年末に久しぶりに書き下ろしを出したらしい。
すかさずポチッと。ちょっと楽しみに読んでみた。
帯には、"いつの日か水のような文体を手に入れたい"
あぁ、なるほど。読みながら確かにそう思う。入り込みやすい文体、スルスル読み進める感覚は昔のまんまだ。生意気に感じたり。
けど、お話がファンタジー過ぎない?展開がご都合主義と云うか、作品全体に作者の姿が重なりつつこうだったら良いのにな、が透けてくるような。
自身の再生の物語にも見える。
十九、ニ十を14才で読んで、40過ぎた自分が65才のおじさんが過去を振り返り自分の姿を見つめる物語を読んだ。
何とも残酷だ、一生なんて一瞬だ。