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柴犬、大雨に伏す

「ちょっと降ってるな〜でも今のうちに傘さして、ひとまわり犬の散歩してこようかな」

そんな日であった。

「すぐに帰るし」と思いながら散歩に出かける柴犬と飼い主。
もちろん柴犬はノリノリ。
散歩が大好きなのである。
一方飼い主、「傘さすのめんどいな〜」と思いながら歩く。

だがちょっと雨足が強まってきた。


ちょっと強くなってきたな〜
…ちょ、え、かなり、え、降ってきたザーザー言っとる!!
柴犬濡れるやん急いで帰らないと!!


そんな時一台の車が横に停まった。


ウィーンと窓が開く。
奥の方から声がする。


「大丈夫〜?うちも柴犬飼っててさぁ〜…でさ〜…」


それ、今する話?!

心の叫び。
届いたのか届いてないのか、絶対これは届いてないなというテンションのおじさんの声。

「大丈夫です〜あはあは」
とか言いながらスル〜ッとその場を離れる飼い主と柴犬。
急いで帰宅の途へ。


ザ・雨中ご機嫌な時



雨ザーザー…
雨がザーザー…

なぜそんなにおじさんに過剰反応したのかというと。


心配の種はもちろん柴犬である。
そう、ずぶ濡れになった柴犬はただの10kgの物体になり得るのだ。

ましてやうちの柴犬、この件に関しては前科者である。


以前散歩中に大雨に降られた時、柴犬、道路を渡っている途中真ん中で一歩も動かなくなった。

道路の真ん中!
信号!変わる!
車!くる!!

飼い主、必死の形相で道路の端っこへ運ぶ。

しかしどんなに促そうがその場からピクリともしない。
立ったまま踏ん張っている。

しょうがないので「こんなこと聞いてねーぞ!!!」と悪態をつきながら、10分ほどかけて柴犬を自宅まで運んだ。

もう何度も下ろして、何度も持ち上げた。

繰り返すがうちの柴犬、10kg。
10kgである。

途中向いからきたサラリーマンが不思議そうな顔をしていたが、
そんなんもう気にしている場合ではなかった。


ただ家に帰りたい。
かつてこれほどまでにそう思ったことはない。
思ったというか願った。
願ったというより祈った。
祈願した。(心の中で)


飼い主、頭のてっぺんからつま先までびしょ濡れに。
(柴犬も同じくではあるが、柴犬の毛は密なのでぐっしょりとはならない)
そして3日間ほど筋肉痛に苦しむ羽目に。
誰がこんなことを予想しただろうか…

それ以来天気にはとても敏感になっている。
とりわけ飼い主、雨雲レーダーとはかなり親密な仲だと思う。
もう二度と同じ轍は踏むまい…
そう誓った大雨の日があったのです。


…といった出来事が一瞬で頭をよぎったので、おじさんいい加減にしてー!って思ってしまった。
すみません個人的な恨みです!

散歩の前に天気確認、きちんとしましょうな。
ゲリラ豪雨は特に注意。


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