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詩「白鯨:病室にて」

白い夏の陽、病室にて
横たわるあなたの影を見た

小説を持つその指先は
細く悲しく、白鯨のよう
海を泳いでいるかのように
あなたの瞳はやさしかった

あなたの指に触れた
夜の海の冷たさに触れた
あなたの髪を梳いた
海の底の静けさを感じた

ベッドに差した木漏れ日に
訳も分からず苦しくなった
水に窒息するようだった
声が出ない事に気がついた

ただ声も無く、海の底へと沈んでいく



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