「困った子」は「困っている子」:子どもの行動の裏側にあるサインを読み解く
うちの子だけ?
うちの子が保育園児だったころのことです。
運動会の開会式を前に、みんな静かに並んで待っていました。
その中に、こっちを向いてカエルみたいにピョンピョンと、ものすごい勢いで飛び跳ねている子が一人だけいました。
「うちの子だ!!」
職業柄、知識だけはあったので、いろいろな言葉が頭をグルグル駆け巡りました。
なぜ「困った子」と感じてしまうのか?
「子育てって、本当に迷路みたいですよね。」
そう、あなたは今、まるで出口の見えない迷路の中にいるように感じているかもしれません。
毎日、子どものことで頭がいっぱい。
「どうして、うちの子だけ?」
そんな言葉が、あなたの心の中で何度もこだましているのではないでしょうか。
子育てをしていると、「なんでうちの子だけ…?」と思う瞬間、ありますよね。
他の子はちゃんと座って話を聞いているのに、うちの子はすぐに走り回ってしまう。
他の子は友達と仲良く遊んでいるのに、うちの子はいつも一人でポツンとしている。
そんな時、つい「困った子だな」と思ってしまうこと、私もよくあります。
「なんで、うちの子はこんなに落ち着きがないんだろう?」
「どうして、言うことを聞いてくれないの?」
そんな悩みを、あなたも抱えていませんか?
SNSを開けば、キラキラした笑顔の子どもたちの写真ばかり。
「うちの子だけ、どうしてこんなに大変なんだろう」と、ため息をつきたくなる気持ち、よく分かります。
ある日、公園で遊んでいると、他のお子さんはみんなで仲良く遊んでいるのに、うちの子はいつも一人で砂場に夢中。
砂を触ったり、穴を掘ったり、黙々と遊んでいるんです。
他の保護者の方たちは、楽しそうに会話しているのに、うちの子は私の方を全く見てくれない。そんな姿を見ると、「もしかして、うちの子だけ…?」と不安になる気持ち、すごくよく分かります。
でも、ちょっと待ってください。
もしかしたら、その行動の裏には、子ども自身もどうしていいか分からず「困っている」サインが隠されているのかもしれません。
実は、子どもたちの行動には、様々な理由があるんです。
たとえば、
友達と遊べない、一人でいることを好む子
もしかしたら、大勢の中で過ごすのが苦手なのかもしれません。
無理に輪に入らなくても、その子にはその子のペースがある。
一人の時間を大切にする個性なのかもしれません。特定の物に異常に執着する子
もしかしたら、その物から安心感を得ているのかもしれません。
その執着を無理やり取り上げるのではなく、寄り添うことが大切なのかもしれません。特定の場所や音に過敏に反応する子
もしかしたら、私たちには何でもないような刺激が、その子にとってはとてもつらいものなのかもしれません。
静かな場所で過ごせるように配慮するなど、環境を整えることが大切なのかもしれません。
「困った子」と私たちが捉えてしまいがちな行動も、実はその子の個性であり、発達の特性であることもあります。
そもそも、「普通」って一体何でしょう?
「みんなと同じように」
「平均的な発達」
そんな言葉に、私たちはどれだけ縛られているでしょうか。
子どもたちの成長は、まるで一本の道のように、一直線に進むものではありません。
一人ひとりのペースで、様々な場所に寄り道をしたり、時には立ち止まったりしながら、成長していくものです。
「発達は一直線ではない」
この言葉を、どうか心に留めておいてください。
子どもの成長を「普通」という枠にはめようとせず、その子のペースを大切に見守ってあげることが、親としてできる最も大切なことの一つです。
まずは、「困った子」という視点を手放し、「困っている子」という視点を持つことから始めましょう。
冒頭のうちの子のカエルジャンプも、運動会が始まる緊張の中、父ちゃん母ちゃんを見つけたうれしさが全身からあふれ出ていたのだと、理解できます。
そして、もしあなたが今、子育てに悩み、一人で抱え込んでしまっているのであれば、どうか一人で悩まないでください。
あなたの周りには、きっと、あなたを支えてくれる人がいます。
パートナー、友人、家族、そして専門家など、頼れる人に相談してみてください。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、「困った子」と感じてしまう背景と、その視点を変えることの重要性について、詳しく解説しました。
皆さんの心に、少しでも響くものがあれば嬉しいです。
今後、さらに深掘りして、発達心理学の視点から、子どもの行動の秘密を探っていきます。
ぜひ、次回の記事も楽しみにしていてくださいね。