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クリスマス、物申す。

このようなタイトルだが、クリスマスが嫌いなわけではない。あとなんか韻を踏んでいる。

クリスマスはむしろ好きだ。街は綺麗なイルミネーションで輝き、美味しいものが食べられる。

いつもは何も感じない、とある白髪おじさんのフライドチキンも特別に感じる。あとケーキが美味しい。(食い意地が張っているのはご愛嬌。)

それがクリスマス。誰とどう過ごそうが、それは個人の自由だ。

本来は宗教的なイベントであり、家族で過ごすことが定番のはずだ。しかし、日本ではなぜか違うように扱われていると感じる。

誰かと過ごそうが、1人で過ごそうが、それでも時間は止まらずに進む。

今年の12月24日から26日は、ただの平日でしかない。そのため、心の中では「今日はただの平日ですよ?」と言ったこともあった。イベントを楽しむことはとても大事だが、仕事がある人もいるのだ。

中には、25日が給料日でガッツポーズをした人もいるかもしれない。これが本当のプレゼントである。多分。

その後にあるのは、年末年始、テレビ番組の特番の数々。季節の移ろいを感じる瞬間である。

さて、そんなクリスマスだが一つ解せないことがある。

細かいな…と思われるかもしれないが、私はこの言葉を聞くと、「ちょっと違う」とツッコミを入れてしまう。 

そう、それは「シュトーレン」だ。

ドイツのお菓子で、ケーキのような食感のアレである。ドライフルーツが入っていて、表面には砂糖がまぶしてある、あのお菓子(パンなのかもしれない)である。

本来は、クリスマスまでちょっとずつ食べるものらしい。だが、以前小さく切られたものを食べた。甘くて美味しかった。

…ちょっと待った。

本場(ドイツ)のスペルは”Stollen”。発音的には「シュトレン」が正しい。

なぜ日本ではシュトーレンなのだ。

伸ばす必要はなかろう。

作る時にこねるからか。はたまた「ずっと食べていたい」という欲望からか。

いずれにせよ謎である。これが本当の「真相は闇の中」というやつか。

以前、どこかの看板に「シュトレン」と書いてあるのを見かけ、思わず頷いてしまった。

そう、その発音。その表記が正しい。なんだか嬉しくなってきた。正しい発音が日本にも浸透して欲しい、と思う。

「シュトレンVSシュトーレン」論争が私の中でブームとなっているが、これに似た論争は他にもある。

「ヌテラ」というチョコクリームをご存知だろうか。初めて聞いたという方は、インターネットで検索してみて欲しい。

そんなクリームだが、ドイツでは有名なものだ。クリスマスマーケットのクレープには、必ずヌテラ味が用意されているくらいだ。

そんなヌテラだが、ドイツ語にしたときの「性別」が論争になっている。

(補足だが、ドイツ語の名詞には性別がある。男性、女性、中性の3つがあり、全ての名詞に性別が割り振られている。ドイツ語学習者は、性別を覚えることに100%の確率で苦しむ。ここで挫折する人が多い。)

私がドイツに滞在した際は、「ヌテラの性別は何?」と質問していた。皆の答えが知りたかったし、何より真剣に議論することが楽しそうに感じたからだ。

そこで得られた答えは、ほぼ「ヌテラは女性名詞」だった。中には中性名詞と答えた人もいたが、女性名詞が圧倒的多数だった。

やはり、その言葉を使う人によって解釈は異なる。

ヌテラも、シュトレンという名称も、皆が使いたいように使えば良いのではないか。もう少し言葉に対して寛容になるべきか。そう思ったクリスマスの日だった。

本日は26日。クリスマスでは無い。そんな指摘を受けそうだが、ドイツでは今日もクリスマスだからセーフ。

そう思いながら、今日も朝ごはんに大好きなゆで卵を頬張ったのだった。今日は上手く殻を向けたぞ。

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