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2. 五感を使って団地で冒険するゲームって?【ゲーム制作日記】

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「感動的な冒険」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな舞台ですか?ファンタジーな未来世界やモンスターと勇者が戦う中世の城下町など私たちの日常からかけ離れた舞台を思い浮かべる人は少なくないでしょう。このような非日常な場所はアドベンチャーゲームの題材になることが多々あります。

ですが、私たちが現在制作しているゲームはあえて「日本の団地」という日常的な場所を舞台に選びました。日常的な場所でも非日常な冒険と感動を味わえるんだ!そのようにプレーヤーに感じてもらいたいです。

団地を舞台に選んだ理由などはゲーム制作日記#1で書きました。あれから3週間、制作に結構な進捗があったので報告もかねて、五感を使って団地で感動的な冒険をするゲームって具体的にどういうことなのか、制作中のエリア、「団地の公園」を共有しながら説明します。


キャラクター

このゲームは私、sandy powder(ゲームプランニング・シナリオ担当)、とMelos Han-Tani(プロデューサー・ゲームプランニング・プログラミング・サウンド担当)の二人でスタートしたプロジェクトでしたが、mogumuさんがゲームグラフィックデザイン担当として加わりました!

そして、そして!主人公と主人公のパートナーキャラを早速デザインしてくれました。可愛すぎませんか?自分が考えたキャラクターが形になって感無量です。まずは公開できる範囲で彼女たちを紹介させてください。

金岡 星乃(かなおか ほしの)

主人公。元気いっぱいの12歳、小学6年生。最近50年以上の歴史がある団地に家族と引っ越してきた。昔はとても賑わっていた団地で、夏祭りも毎年開催されていたが、住民高齢化の影響でここ数十年は中止されてしまっていた。しかし、とある目的のため、星乃は団地の夏祭りを復活させることを決意し、奮闘する。

星乃の名前は記念すべき第1号の公団住宅、「金岡団地」と団地の花形「スターハウス」から取りました。

モロキュウ

カッパの妖怪。子供っぽくみえるが100歳を超えている。星乃をサポートしながら、一緒に夏祭り復活を目指す。

ゲームクリア条件

金町駅前団地「夏祭り盆踊り大会」

失われてしまった団地音頭の発掘」、「屋台出店者集め」など、夏祭りの開催条件を順番にクリアしながら、夏祭り開催のお知らせチラシを総勢151人のNPCに配り招待し、夏祭りの参加者を増やすことを目指します。

チラシを渡したらすぐに夏祭りに行くと返事をしてくれるようなNPCがいる一方で、悩みがあり悩みを解決してあげないと来てくれないNPCや、出現条件が難しいNPCなど、様々な難易度のNPCをプランニングしています。

夏祭り開催のために星乃とモロキュウは団地内や団地外を駆け巡り、一夏の大冒険をするのです。今回の記事ではそんな二人が冒険するいちエリアを紹介します。

団地の公園

星乃のように、私も現在とある団地に住んでいます。よく団地内や団地周りを散歩しています。都市部にありながら、自然豊かで車の音ではなく鳥の鳴き声が聞こえる、そんな環境です。そして、団地なので違うデザインのマンションが乱立するのではなく、何十棟も似たようなデザインの建物が並んでいたり、団地の外とのコントラストが強すぎて異世界感が漂っているんです。自分が住んでいる棟から一歩出ると異世界のゲームマップに足を踏み入れられる、そう感じます。

そして、団地の敷地は広いので、表情の違う様々なエリアが存在します。「給水塔があるエリア」「裏山っぽいエリア」「広場があるエリア」などなど、散歩する場所を変更できるので毎日散歩していても飽きません。私たちのゲームでは最終的にこれらのエリアを全て登場させたいですが、この記事では「団地の公園」というゲーム序盤に行けるエリアを紹介します。まずは下のモックアップ画面をご覧ください。私たちのゲームのグラフィックはまだ開発中なので『Anodyne』のタイルセットを拝借して作りました。

「団地の公園」のモックアップ

この画面に登場するものとNPC一覧です。

①注意事項の看板
②水飲み場
③水飲み場の子供用踏み台
④大人だって逆上がりがしたい女性
⑤低い鉄棒
⑥高い鉄棒
⑦シーソー
⑧砂場
⑨時計塔に貼ってあるポスター
⑩地面に落ちているなにか

下の写真のように団地に点在する児童公園をイメージして作りました。

神奈川県住宅公社10年の歩み 1960年9月
神奈川県住宅公社10年の歩み 1960年9月

団地を冒険するためのゲームコマンド

次に、この「団地の公園」で何ができるのかについて説明するためにゲームで使えるコマンドを紹介します。

団地を「見る」

ゲームでは主人公・星乃の前3マスのグリッドをコントロールすることで「見る」ことができます。見たいマスを狙う感じです。特に見るものがなかった場合はテキストは出現しませんが、何かある場合はテキストが出現します。

普通のゲームではただの背景であることが多いもの(家の中の家具や背景の木など)にテキストを入れることによって団地での散歩や観察の楽しさを伝えたい!そしてこのテキストを如何に面白くするかが、ゲームシナリオ担当の私の力の見せどころです。

団地を五感で「感じ取る」

何かを見てテキストが出るというコマンドはゲームの定番ですが、私たちのゲームでは「感じ取る」というコマンドもあります。画面内で人間の視覚以外の五感(聴覚、触覚、味覚、嗅覚)で感じ取れそうなものがあるところの近くで「感じ取る」ことができます。例えば、花壇の近くで花の香りを嗅覚で感じ取ったり、団地に吹く気持ちのいいそよ風を触覚で感じ取ったりできます。

プレーヤーは以下の3ステップを通して「感じ取る」ことができます。

  1. 画面内で「感じ取れるポイント」を推理する。推理のためのヒントは①画面上にあるもの、②アニメーション、③サウンド、④星乃の顔の表情など。

  2. 「感じ取れるポイント」が合っていたら、「感覚ゲーム」が始まる。動き回る「感覚」が現れるので、円をコントロールしながら、「感覚」を集める。

  3. 「感覚ゲーム」に成功すると、何かしらの変化が起こる。例えば①以前なかったもの・NPCが現れる、②アイテムを手に入れられる、③星乃ができる行動が増える、など。

「インターネットで調べる」

私たちのゲームの原点、GBAソフトの名作『さくらももこのウキウキカーニバル』から発想を得たコマンドです。ゲーム内のパソコンを開くと、インターネットが使えて以下のことができます。

  1. 入手した「ブックマーク」(いわゆるホームページアドレス)を使って色んなホームーページに行く。

  2. ゲームを進めると星乃が様々な検索キーワードを思いつく。キーワード検索をするとヒットしたホームページに行ける。

  3. ホームページ内のリンクからも違うページたちに飛べる。

この「インターネットで調べる」というコマンドを「見る」と「感じ取る」と組み合わせることによってゲームにミステリー要素を足したり、世界観に深みを出したいです。

「団地の公園」を冒険する

では、「見る」、「感じ取る」「インターネットで調べる」という3つのコマンドを実際に「団地の公園」にあるものやNPCに使ってみたら何が起こるのかご紹介します。

①注意事項の看板

公園によくありますよね、公園使用についての注意事項の看板。「犬や猫を園内に入れないでください」「ボール投げ・サッカー・花火など危ない遊びはしないでください」などなど。禁止事項ばかりでさみしくなっちゃう。代わりにXの「なんかいい看板bot」さんに出てくるような看板があったらいいなぁ、と思って考えたのが以下の流れです。

  1. 「①注意事項の看板」を見る→「公園利用者への注意事項 大人も子供も子供のような 気持ちになって遊ぶこと。 公園の看板を再考する会」→「星乃は 公園の看板を再考する会という検索キーワードを思いついた!」

  2. キーワード「公園の看板を再考する会」を検索する→公式ホームページがヒットする。

  3. 「公園の看板を再考する会」公式ホームページの内容「公園に設置するなんかいい感じの看板を売っています。禁止事項ばかりの看板に飽きた自治体の皆様、いかがですか?あまり売れませんが細々と営業しております。」看板のサンプルがいくつか掲載されていて、設置事例紹介に星乃の団地が紹介されている。

②水飲み場

住みよい暮らしを創る神奈川県住宅供給公社20周年記念誌1971年11月

街中の水飲み場が好き。私は散歩中身軽でいるため極力ものを持ちたくない派です。なので水筒もペットボトルの水も持たないで、街中の水飲み場で喉を潤しています。駅にある水飲み場が次々と廃止される昨今、公園にある水飲み場は貴重な喉潤しどころになっています。特に暑い日に出会う公園の水飲み場には最大の感謝を表したくなります。

私たちのゲームではこのような「水飲み場で水が飲める体験」をプレーヤーにしてほしいので、水飲み場はゲーム構想当初から絶対登場させる予定でした。そして、私たちのゲームの原点、『さくらももこのウキウキカーニバル』にも公園の水飲み場が登場します。

『さくらももこのウキウキカーニバル』

『さくらももこのウキウキカーニバル』ではAボタンを押すと水を飲むことができますが、それだけです。何か物足りない。そこで私たちのゲームでは「感じ取る」というコマンドで星乃の味覚を使って水飲み場の水を味わってもらいたいと思います。

  1. 「②水飲み場」を見る→星乃「水飲み場だ。水を飲もうかな?」(プレーヤー選択肢)「飲む」or 「飲まない」

  2. 「飲む」を選ぶ→「乾いた喉を水が通って潤う…」

  3. (再びAを押すまでずっと飲んでるのでこの最中に)感じ取る→「ごくごく」という味覚の感覚を表す擬音が現れる→「ごくごく」を集めて「感覚ゲーム」を成功させる。

  4. 星乃「水はちょっとぬるかった!」「星乃は ぬるい という検索キーワードを思いついた!」など、味覚を通して温度を感じ取れた主人公はそれに関係するキーワードを入手します。

  5. キーワード「ぬるい」を検索する→どういうページがヒットするかはまだ考えてないですが、団地の世界観が深まるようなページにしたいです。

水飲み場は複数、ゲームに登場する予定です。水飲み場によって味や温度が違うので全部飲んで「感じ取る」を使ってみて下さい。

③水飲み場の子供用踏み台

私が水飲み場を好きな理由は水分補給ができる、という実用的な理由だけではありません。水飲み場には多くの場合、子供用の踏み台も付いてるのです。この踏み台に私はとても「思いやり」を感じて幸せな気持ちになります。

子どもの踏み台付き水飲み場

詳細はまだ構想中ですが、以下のような流れにしようと思います。

  1. 「③水飲み場の子供用踏み台」を見る→星乃「子供のための踏み台だ!これで背が低い利用者も水が飲める。思いやりにあふれたデザインだ」

  2. 「星乃は 思いやりという検索キーワードを思いついた!」

  3. キーワード「思いやり」を検索する→団地の世界観が深まるようなページ構想中。

④大人だって逆上がりがしたい女性、⑤低い鉄棒、⑥高い鉄棒

児童公園の定番遊具といえば鉄棒ですね。この団地の公園にも低い鉄棒と高い鉄棒があります。その隣に立っているのが、大人だけど逆上がりがしたいNPCです。

  1. 星乃が彼女に話しかけると自動的に夏祭りのチラシをあげて招待することができる。

  2. しかし、彼女は今悩みがあって夏祭りに行けるか分からないと返事する。その悩みとは、逆上がりがしたいけど、上手くいかないということ。子供の頃はできたのに、大人にになった今はできなくなってしまったと悩んでいるようだ。お手本を子どもである星乃に見せてほしいと言う。

  3. お手本を見せる、を選ぶと「感覚ゲーム」を応用した、逆上がりミニゲームが始まる。成功すると、星乃が逆上がりする。

  4. 女性に感謝され、夏祭りに行くよ、という返事をもらえる。また、一緒に練習してくれたお礼に彼女のホームーページのブックマークが貰える。

  5. 女性のホームページの内容は構想中。

⑦シーソー

児童公園の定番遊具その2のシーソーでは、モロキュウについて知れます。

  1. 「⑦シーソー」を見る→星乃「モロキュウとシーソーに乗って遊ぼうかな?」→プレーヤー選択肢「乗る」「乗らない」

  2. 「乗る」を選択すると、星乃とモロキュウがシーソーに乗るが、そこで判明するのが、モロキュウには体重がない(妖怪だから?)という事実。相手の体重がないので星乃はシーソーで遊べない。

こんな感じで、画面内のものとのインタラクションを通じてそのキャラクターのことをプレーヤーにもっと知ってほしいです。

⑧砂場

砂場です。星乃が住む団地では年々子どもが少なくなり、砂場で遊ぶ子どもも減ってしまったので、ところどころに雑草が生えています。でも、一部、雑草が生えてないエリアが砂場にあります。また、このエリアを星乃が歩くと歩くスピードが遅くなります。これらが「ここに感覚ポイントがありますよ」というプレーヤーへのヒントになっています。

  1. 雑草が生えてない砂場のエリア上に立ちながら感じ取る→「ザラザラ」という触覚の感覚を表す擬音が現れる→「ザラザラ」を集める「感覚ゲーム」が始まり、「ザラザラ」にまじって「カサカサ」という擬音も出てくる。→これらの感覚を集めて感覚ゲームを成功させる。

  2. 星乃「砂場の砂が靴底でザラザラする。…あれ?何か紙のようなものが砂の下でカサカサと音を立ててるぞ。砂をどけてみよう。」→「なんかたくさんのチラシが砂の中から出てきた!」→星乃は「広告チラシx50枚」をゲットした!→カバンの中の「広告チラシ」を調べるとアイテムの詳細が分かる。団地付近で建設中のタワーマンション販売についてのチラシのようだ。

  3. 「星乃は 広告チラシという検索キーワードを思いついた!」

  4. キーワード「広告チラシ」を検索する→ とある求人サイトがヒットする。サイトの内容「広告チラシを郵便ポストに入れるお仕事です。7時間8000円。」

なぜ50枚もの広告チラシが砂場に埋まっているかははっきりと分かりません。しかし、これらの広告チラシ、実は星乃が住む団地の郵便受けを調べると、同じものが出てきます。もしかしたら、100枚配らないといけなかったバイトの方が50枚を団地で配ったけど残りの50枚が配り終わらず、砂場に埋めたのかもしれませんね。過去に、配り終えられなかったチラシを職場に持ち帰ったら怒られた経験があるのかもしれません。

こんな感じで、ゲームに登場するわけではないけど団地と接点のあったキャラクターの人生を空想する楽しみもプレーヤーに味わってほしいです。

⑨時計塔に貼ってあるポスター

  1. 「⑨時計塔に貼ってあるポスター」を見る

  2. 星乃「公園内禁煙 と大きな文字で 書かれている」

しかしそのすぐ横には…⑩があります。

⑩地面に落ちているなにか

  1. 「⑩地面に落ちているなにか」を見る

  2. 星乃「何かが地面に落ちている…タバコの吸い殻だ!ポイ捨てされている。」

⑨と⑩は街中あるあるですよね。禁煙ポスターの横で喫煙する人たちを見かける経験から着想を得た一場面です。

団地の日常に非日常な「ふしぎ」と「驚き」と「感動」を見出す

長くなってしまいましたが、星乃を通してプレーヤーが団地の公園で出会えるものとNPCを10個紹介しました。

暑い日に飲む水飲み場の水がぬるかったり、砂場で砂のザラザラした感覚を靴の裏で感じたり、これらは些細なことに感じるかもしれません。

しかし、些細なことでも五感をフルに使って感じることができれば、いつか驚きやふしぎな謎に出会えます。それは例えば、暑い夏休みのある日に、大人に逆上がりのお手本を見せたり、公園でちょっと面白い看板をみつけたり、砂場の中に予期しなかったものが埋まっていたり、禁煙ポスターの横に喫煙した跡が残っている謎だったり。そういうちょっとした驚きです。

レイチェル・カーソンがこのような感性を「センス・オブ・ワンダー」と呼んでいます。

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。 わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

もしわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力を もっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない 「センス・オブ・ワンダー = 神秘さや不思議さに目を見はる感性」 を授けてほしいとたのむでしょう。

この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然 という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。

レイチェル・カーソン 『センス・オブ・ワンダー』 (上遠恵子訳, 新潮社, 1996年), p.23.

カーソンは「センス・オブ・ワンダー」は自然の中で育むもので、「人工的なつまらないもの」では育めないと書きますが、私は自然はもちろん、人工的なものでも「センス・オブ・ワンダー」は感じることができると思います。

なぜなら…

「世界のすべてはおもしろがれる!」

合同会社別視点 編 『マニア流!まちを楽しむ「別視点」入門』

合同会社別視点さんが示すように「ゴムホース」や「室外機」など、人工的で日常的なものでも、視点を変えれば驚きと感動に満ち溢れています。そして、この人工的で日常的だけど面白い!というものに「団地」も含まれている、ということを私たちはゲームを通して提示したいです。

団地の面白さと魅力は、団地研究家のみなさまが既に世に発信しています。私もゲーム制作にあたり、たくさん勉強させていただきました。

「本当にワクワクすることは、僕らのすぐそばにある」

「 [団地など] 見慣れたものほど、見えなくなる。理解しているものほど、知らない。」

「この本を読んだみなさんが、本を閉じた後よく知っているはずの景色にいつもと違った世界を見つけたら、僕ら団地団の悪だくみは大成功。」

大山顕, 佐藤大, 速水健朗『団地団 ~ベランダから見渡す映画論~』p. 36-37.
阪本順治監督映画『団地』

広い団地の中では、様々な人間模様が展開されています。子供たちの遊ぶ楽しそうな光景。丸くなって立ち話をするおばちゃん。布団がビッシリ干されているベランダ。それぞれの灯りの色が並ぶ窓。人々がそこに住んでいるからこそ、団地は魅力的なのです。

照井啓太『公団ウォーカー』

団地のありふれた景色でも、まるで初めて見たかのような心でワクワクと探検し、個性豊かな住民たちには溢れんばかりの好奇心をもって接し、ふしぎと驚きと感動に出会い、哲学してほしい。そんな願いのもと、ゲーム制作を続けています。

楽しい暮らしを造る  神奈川県住宅公社創立15周年記念 1965年9月

アリストテレスは、「哲学は驚きから始まる」という言葉を残しています。この言葉に注目すると、大人よりも子どもの方が哲学者なのかもしれません。小さな子どもは、道端の草花に感動し、石ころや貝殻を拾ってきて大切にします。その瞬間に、子どもは哲学し始めているのです。

どんなものにでも驚きと感動をもって接していくならば、そこに無限の意義を見出し、暮らしを豊かにしていくことができると僕は考えます。

氏家法雄『暮らしを哲学する』

そして、願わくば、私たちのゲームを終えたころにはプレーヤーの暮らしと人生がゲームをする前よりちょびっと豊になっていますように。

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