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ホトバシル獰猛ヲ知ル

三日月の中を裂いて
淫靡な指が伸びる
我慢ならない涎が滴って
夜に代わり喘ぎ騒ぐ

けものいろした極楽蛾
先走る鱗粉を切っ先で捏ね回し
なお粘度を上げるのだ
全ての、命に逆らう言葉を
使い果たすような中天の交差点で

幾度も自由を捕られたい
上弦を割られて悲しみが
ひしゃげた涙を研ぐの


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