尖塔のてっぺんから
まるで
モズが餌を枝に刺すように
オレをつらぬくためのように
尖塔が
何もない平原のまん中に
立っていた
鈍い金属色を
曇った空の下で
きらめかせながら
不気味に(魅力的に)
唐突なのか 幾星霜か
立っている
ただひとつの扉は
目の前で音もなく開き
オレは
まるで当たり前のように
(塔の)中に入った
見上げると
さかさまに落ちていくように
螺旋階段
があって
オレはきっと ゆっくりと
それをのぼっていくんだろう
そして
いずれは
塔に突き刺されてしまうだろうことも
何処かでわかっている
そうなれば
オレはそこから
いつまでも
おまえを見守っていよう
見晴らしのいい その
尖塔のてっぺんから
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