「へぇ…、偽善者が許せない?そうか、何かあったんだね。なんでそんなに許せないの?……うん、あぁ、自分の感情偽ってそばにいられたくない。そうだね。わかるよ。信頼していた人が本心から優しくしてくれていたわけじゃないって、辛いよね。聖書いわく、『偽善者:小羊の毛皮をかぶった狼』、だってね。 でもさ、いつも思うんだよ。『偽善は悪なりや?』ってね。何。太宰の『人間失格』みたい?冷やかさないでよ。僕は真面目な話をしようとしてるんだ。いや、君の話を否定したい訳でもないよ。とりあえず僕の隣
私の名前は 葛城 真(かつらぎ まこと) と言います。 葛城は奈良の地名、「かずらき」という能の曲目もあります。このお話は葛城の一言主の神が橋を山の間に架ける事を依頼されたにも関わらず、自分の容姿を恥じ夜しか仕事をしなかったために、依頼主の手で岩穴に幽閉された、という伝説に基づいています。この事から【叶わぬ恋】を象徴する神様になってしまいました。 古事記ではかの雄略天皇に礼を尽くさせた事になっています。もともと何でも一言で効験を表す神がこれとは少し情けない気もしますが
白杖をついた女性がいた。 県内でも大きな美術館の特別展に、である。 確かその時は騙し絵で有名なエッシャーの絵が来ていたと思う。 美術教師から私の好きな絵が来ていると、聞いて喜んで飛んで行った思い出がある。 女子中学生が夢中になるほど、二十世紀に活躍したこのオランダ人artistはたくさんの面白い絵を後世に残している。 例えば彼の代表作、『滝』。 これは残念ながら実物を見ることは出来なかったが数学の教科書(!)にも載っているような有名な絵なのだ。 滝が水車を動かして流れた、