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荒木博行のbook cafe 対談術をマニアックに考察する

これから、壮大なる「誤読」を始めます。

「誤読」とは、コンテンツを読み取る際、著者(作者)本人の意図とは異なった(可能性の高い)、独自の解釈をすること。

ここでは、荒木博行のbook cafeマスター、荒木さんの対談に関して、読み手(サナフミ)が勝手に解釈したことを語ります。

そもそもなぜ、こんな記事を書くのか

昨年(2019年)の年末、荒木博行のbook cafe(以下、ブックカフェ)の1周年オフ会が実施されました。

そこでの公開収録にて、荒木さんは対談について、こう語っている。

・特別な準備はしない。
・人と人との間合いを大切にしている。
・その人が話したいコンテンツの時に、表情が変わる。その瞬間を捉える。
・著者からできたキーワードと自分の頭の中にあるものが、つながる瞬間が楽しい

また、続くチャプターでは

・具体的な話が好きか、抽象的な話が好きか、でも質問の仕方が異なる。
・「初めまして」の人の場合、どの話を振ると一番イキイキ話せるか、どのレイヤー(抽象度)で話をするのが良いのかを探っている。
・必要となれば、自分からまとめに行かないといけない

以上、簡単にまとめましたが、まだ放送を聞いていない人は、ぜひ一度音声を聞いてから先を読んでいただきたい。

実際のオフ会の様子をこちら

この放送を聞いた後、年明け2020年1月2日。
大嶋祥誉さんとの対談が放送された際、「本当にお話していた通り、実践している!」と気づきを得てしまったため、筆をとらずにはいられない、と思い、ここに記事を書いています。(タイミングを逃して感はある)

対談を考察する前に

まずはこちらの放送をお聞きいただきたい。
(年始なので、聞き逃した方も多いはず)

一度聞いた方も、ぜひもう一度、荒木さんがどのように上記の対談術を実践しているのかを意識しながら聞いていただきたい。

お聞きなりましたか。
では、中身について考察していきましょう。

収録スタート 〜自己紹介〜

荒木さんと大嶋さんは初対面であり、はじめましての後、即収録というケースは多いとオフ会でも話している。

そういった際、まず、荒木さんは、これまでのキャリアをまとめて自己紹介をお願いすることが多い。

例によって、ここでも大嶋さんへキャリアの紹介(自己紹介)をお願いしている。

きっと荒木さんは、その間に、「この人はどんなレイヤーで話すのが一番イキイキするのか」を考えています。

今回の場合、大嶋さんからキーワードがたくさん出てきているため、一番メインとなりそうなマッキンゼーのキャリアに対して「新卒?」と質問。
そして、その後も、程よく合いの手を入れています。

その後の一番の注目ポイントは
「今、大嶋さんが何やってらっしゃるんですか、と聞かれたら、一言で答えるならどうします」
と質問を投げかけた場面。

大嶋さんからも「良い質問ですね」とコメントをもらっています。

ここは、大嶋さんのキャリアのタグ(具体)が多く、どこに話の焦点を絞るべきか見えにくくなったため、話の方向性を決めるべく、

「つまりどういうことか」という抽象への問いかけを行なっていますね。

具体的なことが続き、話が広がったら抽象でまとめる。見事な進行。

その直後、大嶋さんは「人の進化をインスパイアする人」と回答。

「ほー面白いですね」としっかり受け止めた上で
「その心はどの辺にありますか」と重ねて質問をしています。これが、抽象から具体への質問ですね。

「つまり」で抽象的な言葉に収束するものの、「人の進化をインスパイアする人」は解釈の幅が大きい。
人によって捉える意味が異なる抽象度。

そのため、「具体的にはどういうことか」という意味で、「その心は?」と問うています。

この点は、様々なビジネスの現場で実践できるエッセンスです。
上司が「今年はワンチームになって」と話していたら「その心は?」と合いの手を打ってみたらどうでしょう。(嫌味にならない程度に)

キーワードを探す 〜キャリアから考え方を知る〜

つづいて、荒木さんは、自己紹介の段階から話を進めていく上で、以下のような問いを投げかけました。

「コーチング、瞑想、マッキンゼーで培ったスキル、このあたりは有機的につながっていますか?」

この質問に対して、「ない」と答える人はおそらくいないでしょう。

この問いは「有機的なつながりの有る無し」を聞いているわけではなく、つながりを作っている、考え方・価値観を教えてください という質問。

キーワードからさらに抽象度の高いレイヤーで持って行こうとしています。

なぜかこの問いをするのかというと、オフ会で語っていたように、著者(大嶋さん)が一番語りたいこと、イキイキ話せることを探っているからです。
(きっと)

また、その答えから、大嶋さんはどのレイヤー(抽象度)で話を進めていくのか魅力が伝わりやすいのか、を捉えようとしているのではないでしょうか。

キーワードをつなげる 〜言葉の解像度を上げる〜

上記の質問に対し、大嶋さんは「センスや直感で得たものをわかりやすく伝えること」と回答。

それに対し、荒木さんは「なるほど、わかります。つまり分析によってメッセージが出されるのではなく、メッセージはなんとなく降ってくるもの。それをわかりやすく伝える」とご自身の言葉で言い換えています。

ここが、「自分の頭の中にある知識と著者から出たキーワードをつなげる」を実践している場面。

ここから、つながったキーワードをもとに対談が展開されています。さらに言うなら、同じ言葉を使っていても、荒木さんと大嶋さんでは頭の中でイメージしていることが違う。

なので、その後「センスを分解できますか、どう育むのか」と言葉の解像度を上げる質問を行っています。

この違いを語ることが対談に面白さでもありますね。
日常の場面でも、同じ言葉を使っていても含まれる意味が違っていた、という経験は誰しもあるはず。

とても簡単な例で言えば「この資料、明日までに」と言われても、明日は、出社までなのか、午後なのか、勤務時間内なのか、23時59分なのか。のようなもの。

抽象的な言葉や議論においては、言葉の定義は大切であり、それだけで対談が成立することもあります。

聞きたいことを聞く 〜知的好奇心を満たす〜

チャプターの終盤、流れが変わり、瞑想については質問をしています。

これは荒木さんが個人的に聞きたい項目だったと推測される。ブックカフェのマスターの特権ですね。

対談において、自分が聞きたいことを素直に聞くというのは、質問する側の声に気持ちが乗っていくのではないでしょうか。自然と相槌にも気持ちが入り、話している方も乗ってくるような気がします。
(知らんけど)

最後に

ここで、もう一度、放送を聞き直していただきたい。(時間があれば)

一回目では、見えてこなかった荒木さんの頭の中が少し見えた気がしませんか。(しませんね)

この記事は、テラスハウスの副音声的での山ちゃんみたいなものです。まあ、山ちゃんより、ポジティブに、かつ考察して学びを得ることをモットーにしています。

楽しんでいただけたのなら、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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