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美談ばかりじゃない。ネットワークビジネス会社の「寄付」は非難がスゴかった。
◆あのとき社内でおこっていたこと。
東日本大震災からもう11年も経つんですね。
その頃、私は既にネットワークビジネスの中の人をやっていました。
今振り返ると震災はネットワークビジネス界においても、とても大きな出来事でした。
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ネットワークビジネス会社は活動してくれる会員さんという「ソフト」と商材や配送システムという「ハード」の両方がなければ立ち行きません。
震災はその両方に大きなダメージをもたらします。
ネットワークビジネス会社にとっても、現状把握と対応に追われる日々が続きました。
そしてその一方で、会社としての姿勢を対外的に見せる必要がありました。
それは「寄付」というわかりやすい行為です。
◆チャリティーグッズ販売の収益を寄付に充てる真意
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ある程度の規模のネットワークビジネス会社になると何点か「チャリティーグッズ」を販売しています。
収益のうち〇〇円、〇%を社会貢献のために役立ててまいります、的なキーホルダーや筆記用具、タオルやマグカップ。
例年、寄付先は運営会社が選んでいてピンクリボン活動だったり、難病に苦しむ子供たちへの支援だったり、ユニセフだったり、その都度、選定していました。
嫌らしい話ですが、寄付をしに行く社長の写真だったり、金額は経済新聞などは必ず新聞等に掲載をしていただいていました。
企業姿勢のPR、ようするに売名です。
寄付=ある種の広報活動というのは否定できません。
もちろん自社のウェブサイト等にも寄付の金額やいただいた感謝状の写真を掲載してアピール。
これに対して会員さんは「マルチって変なイメージあるけど、ここは社会貢献している真面目な会社なんだよ」というような営業トークにつなげるわけです。
◆会社がおこなう寄付=純粋な善意ではない。
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東日本大震災が起こってすぐ、ストックしている寄付金全額を寄付しよう、という流れになったのも、ごく自然なことでした。
やるなら戦略的にやらなければ、と緊急会議も行われました。
「今、やっても目立たないんじゃないか?」
「でも早くやらないと。遅いとイメージが悪い」
「具体的にどこに寄付をする?赤十字社なのか、自治体なのか…」
「他のネットワークビジネス会社はいくらくらい出してるんだ?ネットワークビジネス会社で合同一括寄付というやり方もアリか?」
結局、寄付は被災地区の各自治体宛てにおこなうことになりました。
メディアへの掲載依頼は時期的に難しかったためあきらめ、後日この寄付内容について自社のWEBサイトに報告記事を出すだけ、というシンプルな対応としたのです。
すると…すぐにクレームと叱責の電話、メールの嵐となりました。
会員さんからのご意見は
「金額が少ないじゃないの、恥ずかしいわ!」
「もっと目立つカタチで寄付してよ。トークにつかえないじゃない」
「お金だけじゃなくて、タオルや食品も寄付すればよかったのに!」
「寄付するより、商品の値下げをするなり、お見舞金としてコミッションを出してよ!」
寄付は善なる行い、褒められることはあっても叱られることはないと思っていたら、そうではない反応がほとんど。さすがにこれは想定外でした。
ネットワークビジネスにはいろんな考え方、物の見方をする人が集まっている。それを改めて感じる機会となったのでした。