詩誌「三」71号掲載【まるくて赤い】水谷水奏
ぽつんと角にきみが立っているので ぼくは
すりきれそうな思いを
とおくの誰かにねじこんで 歩いていく
ゆううつだった今日という日を
うそみたいに染めていく空の色をみて 仕方なく
ぐれたくなる気持ちを抑えて もういちど角を曲がり
レーズンパンを買って帰る
だれのことも 片目で見るのがいい
るすばんをして待っていたねこの目は
まるくてまるくて赤くて丸い
2023年9月 三71号 水谷水奏 作
ぽつんと角にきみが立っているので ぼくは
すりきれそうな思いを
とおくの誰かにねじこんで 歩いていく
ゆううつだった今日という日を
うそみたいに染めていく空の色をみて 仕方なく
ぐれたくなる気持ちを抑えて もういちど角を曲がり
レーズンパンを買って帰る
だれのことも 片目で見るのがいい
るすばんをして待っていたねこの目は
まるくてまるくて赤くて丸い
2023年9月 三71号 水谷水奏 作