詩誌「三」66号掲載【曇りの日】水谷水奏
家族の家族がたおれたので
否たおれたのだが
家族の家族の私には
できることはあんまりない
空の部屋でひとり
多肉植物の育ち具合を確認して
メダカにエサをやっておく
冷蔵庫の大豆サラダを食べる
テレビを消して
鳥のさえずりを聞きながら
少しは静かにおもいをめぐらすが
できることは私には ない
私のどこかが痛む時には
あんなに私は私の当事者なのに
今日はどこもちっともうっすらも
痛くない
2022年6月 三66号 水谷水奏 作
家族の家族がたおれたので
否たおれたのだが
家族の家族の私には
できることはあんまりない
空の部屋でひとり
多肉植物の育ち具合を確認して
メダカにエサをやっておく
冷蔵庫の大豆サラダを食べる
テレビを消して
鳥のさえずりを聞きながら
少しは静かにおもいをめぐらすが
できることは私には ない
私のどこかが痛む時には
あんなに私は私の当事者なのに
今日はどこもちっともうっすらも
痛くない
2022年6月 三66号 水谷水奏 作