「憲法」「裁判所」「地方自治」とは何か?

今回も、池上彰さんの「政治のことをよくわからないまま社会人になった人へ」を参考に、「選挙」について解説していこうと思います。本当に簡単な説明になっているので、詳しくは、池上彰(2022)「政治のことよくわかんらないまま社会人になった人へ」【ダイヤモンド社】をお読みください!

それでは!


1憲法とは何か

〇憲法は法律の親分

崩壊した国を立て直すときは憲法の制定
憲法があることで国が成り立つ
法律は国民一人一人が守るものだが、憲法は権力者が守るべきもの
憲法は国民が権力者に勝手なことをさせないように、その力を縛るもので、法律は世の中の秩序を維持するために国民が守らなければならないもの

〇日本国憲法はどのようにして生まれたのか?

第二次世界大戦、日本が敗戦後、GHQが憲法の自由主義化を求め、明治憲法の改正を求めた。
しかし、日本側は民主的な憲法を作る気はなく、アメリカの草案を手直ししてアメリカに示し、憲法改正草案要綱が発表
1946年、衆議院選挙が行われ、新しく議員が選ばれた。
その議員によって帝国議会が開かれ、大日本帝国憲法改正案を衆議院で審議し、可決。
その後貴族院で審議し、衆議院で再度審議、さらに枢密院で可決して、正式な日本国憲法が誕生した。

2日本国憲法、その内容は?何が問題なの?

〇憲法で定められていること

11章103条からなっている。
国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つが基本的な原理として明らかにされた。
国民主権:国の修め方や国が行う仕事を具体的に決めるのは国民である。(間接民主制
基本的人権の尊重:平等権、自由権、社会権、参政権、受益権の5つに分類。
平和主義:戦争を放棄し、戦力も持たず、交戦権を認めないことが第9条で定められている。

〇憲法第9条が問題

「戦争放棄のため、戦力は持たない」としているが、実際には自衛隊がある。
自衛のための最小限度の実力で戦力ではないとしているが、PKOに参加するなど実績も積んできた。
憲法の条文を変え、自衛隊を憲法の中に位置づけようとする意見が出ている。

〇9条が駄目なら96条がある。

安部首相は改憲派であった。「今の日本国憲法はアメリカから押し付けられたものである。」「制定から60年が過ぎており、新しい価値観に対応できていない。」「日本人自らの手で書き上げることが新しい時代を切り開く」といったことを理由としていた。
しかし、「自主憲法の制定」が岸信介の悲願であったことも考えられる。
第1次安倍内閣は教育基本法、国民投票、防衛庁を防衛省に変えた。というところだったが、急いで失敗。
第2次阿部内閣ではアベノミクスで支持率を上げ、憲法を変えようとした。
まず、96条(衆参両議院で3分の2以上が必要)を変えていこうとしたが、反対意見が出たのでブレーキ

〇集団的自衛権を認める。

自衛権:個別的自衛権と集団的自衛権がある。
個別的自衛権:もし日本が攻められたら、国を守るために戦う権利がある。
集団的自衛権:自分たちだけでは国を守ることができないかもしれないから、友好関係にある国とグループを作って、そのどこかが攻撃を受けたら一緒になって戦う」という権利
安部首相は、集団的自衛権の行使を認めることに成功。ある条件の下では他国のために出動できることになった。
→いつでも攻撃できるぞという姿勢をとることで、中国や北朝鮮から安易に戦争を仕掛けられないようにする。
2017年度 安部政権は防衛予算を5.1兆円をしょうにん、2019年には5.3兆円にもなった。

3裁判所とはなにか?

〇裁判とはどういうものか

裁判とは、争いや犯罪が起こった時、内容を調べ、どちらが正しいか判断して解決方法を示してもらおうというもの
司法権:裁判を行う権力。裁判所が持つものであり、コック民の裁判を受ける権利を保障している。

〇裁判は2種類ある

刑事裁判と民事裁判の2種類がある。
民事裁判:個別のもめごと。
刑事裁判:法律に違反した人たちをどう罰するか検討し、処罰の重さを決める。

5地方自治とはどういうものか、地方公共団体の仕組み

〇地方自治とは何か

地域の問題は、地域で取り組む。地方の政治は地方で行う。それが地方自治「民主主義の学校」とも呼ばれている。

〇地方公共団体の仕組みはどういうものか

地方公共団体:各地方で政治を行う機関のこと
地方公共団体には「都道府県」と「市町村」があり、「首長」と政策を決定する「地方議会」が置かれている。
首長:内閣総理大臣の立場に当たる人。議会で決められた条例や予算に基づいて行政を行っている
都道府県の主張は知事、市町村の首長は市長、町長、村長
その地域の住民によって直接選挙でえらばれ、知事に立候補できるのは30歳以上、市町村に立候補できるのは25歳以上。任期は4年

〇地方議会と国会の違い

国の政治で国会にあたるのが地方議会。議員は住民の選挙によってえらばれる。
立候補できるのは25歳以上で、任期は4年
1院制 首長と議会が対立することもあるが、主張は議会に対して審議のやり直しを行うことできる。
議会は4分の3以上の賛成があれば、首長の不信任決議を行うことができる。
この場合、主張はやめるか、10日以内に議会を解散し、再び選挙を行って住民の判断を受けることになる。新しく選出された議会で不信任決議を出されると、主張は辞任する。
→首長と議会は対等な関係にある。
知事や市町村長は直接選挙なので、大統領の立場に立つ。
住民は地方の政治に不満がある場合、署名を集めて、首長や議員に対して辞職の要求をしたり、議会の解散、条例の制定や改正、廃止を請求することができる。(直接請求権

〇地方公共団体はどのような仕事をしているのか

首長や議会の政策に従って実際に地域の住民のための仕事を行っているのが都道府県や市町村の役所
仕事内容は、自治体事務と、法定受託事務の2つに分けられる。
自治体:道路や川の整備 学校や公園、図書館などの設置や管理、消防や警察、保育所や高齢者施設の運営
法定受託事務:地方分権一括法ができ、名称が変更
地方分権一括法:中央集権型かrあ、地方分権型の政治に変えるために作られた法律

6地方自治の問題は?

〇地方公共団体の財政状況

地方公共団体の収入は、住民の地方税、国からの地方交付税交付金や国庫支出金や地方債(借金)
地方交付税交付金:地方間の税収入の差をなくすために国から支給されるもの
国庫支出金(補助金):義務教育の実施や公共事業など、国から地方に任された仕事のために国が補助する費用
しかし、地方公共団体の多くは地方税などの独自の収入が3分の1しかないため、3割自治と呼ばれる。
2002年 三位一体の改革:地方交付税交付金を減らす、国庫支出金を減らす、国が集める税金の一部を地方公共団体に譲る。
→国に金がなくなったので、地方に渡す資金を減らしたに過ぎないという解釈もある。

〇なぜ市町村は合併するのか?

市町村合併:2つ以上の市町村が一緒になって1つの大きな市町村にまとまること
なぜするのか。
→市町村の規模を大きくして中央から地方に権限を移すこちで住民が地方ごとに特色のある政治を自分たちで行う地方自治のあり方を作るという目的
地方の財政を立て直し、効率的な政治
合併によってそれぞれの市町村が別に行っていた仕事を一つにまとめ、人件費を減らすことができる、無駄のない街づくりを行うことができる。
課題:市町村が広域になるので、周辺部に住んでいる人たちにとって行政のサービスが受けにくくなり、規模が大きくなるため、きめ細かいサービスが受けにくくなる。

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