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「うつ」ってなんだ?

みんな、こんにちはなんだ~。
深海でくらしてるサメの「さめざめ」だよね。

ぼくはまだ3歳くらいなんだけど、人間さんたちの世界を少しずつ学んでるところなんだよ。最近は「うつ」という人間さんの心の状態について知る機会があったから、ここでぼくなりにまとめてみるよ。ぼくは専門家じゃないけど、聞いたことや読んだことをかみ砕いてみるんだ。もし、ぼくの言葉で人間さんがちょっとでも「うつ」って何なのかを考えるきっかけになればいいよね。

まず、人間さんって普段「うつ」って言葉をわりと気軽に使うことがあるんだってよ。「最近ちょっと気分が沈んでるから、うつっぽいよ」みたいに。ほんの少し元気が出ない状態でも「うつ」って呼んじゃうことがあるみたいなんだ。でもね、人間さんの医療の世界で「うつ病」っていう診断がされるときは、もっとしっかりとした基準があるんだよね。たとえば、2週間以上ずっと気持ちが沈んでいて、何をしても楽しめない、やる気が全然わかない、日常生活を送ることすら難しくなってくる…そういう状態が続いていると「うつ病」として考えられるんだって。つまり、ちょっと落ち込んだとかじゃなくて、もっと深く長く続く苦しみがあるんだよ。

ぼくは深海でくらしてるから、光が届かない暗い世界にも慣れてるんだけど、人間さんの「うつ」っていうのは、暗い水底にじっとしているような感じなのかもしれないよね。たとえ周りが明るくても、自分だけは真っ暗で重たい気持ちから抜け出せない…そんな風に想像できるよ。しかも、その状態はただの一時的なものじゃなくて、長引いて生活に大きな影響を与えるんだよね。人と話すのがしんどくなったり、好きだったことに興味がなくなったり、何もかもが重苦しく感じちゃうんだってよ。

「うつ」になる理由は、ひとつじゃないみたいなんだ。人間さんの体の中、脳の中には、気分を調整する物質があって、それがうまく働かなくなったり、遺伝子的な影響があったりするんだよね。それに加えて、生きていく中でのつらい出来事や強いストレス、人間関係のもつれ、長時間の過酷な労働、差別や孤独といった社会的な問題も重なって、「うつ」の状態になりやすくなるんだよ。つまり、「うつ」は、体(生物学的なこと)と心(心理的なこと)と社会(環境的なこと)が複雑に絡み合って生まれるんだよね。これを「生物心理社会モデル」って言うみたいなんだ。

こういう複雑さって、ぼくには深海の生態系みたいなものに思えるよ。深海には光がないかわりに、特殊な発光生物がいたり、水圧に耐えるための不思議な体をした生き物がいたり、その環境に適応した多様な命がいるんだよ。人間さんが「うつ」になるのも、遺伝や脳内物質のバランスだけじゃなく、生きてる社会や人間関係、そこにあるルールや常識、職場や家庭でのプレッシャーが影響しているんだね。どんな魚がどんな深海環境に適応するかっていう話と、ちょっと似てるかもしれないよ。

もう一つ、人間さんが直面している問題は「うつ」にまつわる偏見なんだって。昔は「精神の不調」は「甘え」だとか「弱さ」だと言われていた時期もあったらしいよ。今でも「うつくらい気合でなんとかしろよ」とか言われてしまうことがあるんだってね。でも、うつになった人は本当にしんどい状態で、「自分はダメな存在」って思いこんでしまったり、死にたい気持ちを抱えてしまうこともあるんだってよ。そんなときに「気合」なんて言われても、ただつらいだけだよね。

偏見や誤解があると、うつ状態の人はなかなか周りに助けを求めづらくなるんだってよ。そりゃそうだよね。深海でけがをしてる魚に「泳げよ」って言ってもダメなんだ。きちんと休める場所や環境、まわりのサポートが必要なんだよ。人間さんも、うつの人が安心して話せる雰囲気づくりが必要なんだね。

それから「うつ」には予防があるって聞いたとき、ぼくはちょっとビックリしたんだよね。「うつ病」って、病気なら治療するしかないのかなって思ってたよ。でも、人間さんは「うつにならないように工夫する」ことにも力を入れてるみたいなんだ~。生活習慣を整えたり(しっかり睡眠をとる、栄養バランスを考える)、適度な運動をしたり、職場や学校でメンタルヘルス研修をしたり、地域で相談できる場所を増やしたりして、「うつ」になりにくい環境をつくることもできるんだよね。これって、深海の生き物が厳しい環境に適応するために、いろんな工夫をしているのと似てるよ。人間さんも社会全体でそういう工夫をすれば、うつになりそうなときに早めに助けを求められるよね。

また、「うつ」はただ取り除くべき悪いものってわけでもなく、人間が生きていく中で出会う苦しみのひとつとしてとらえる見方もあるんだってよ。痛みや苦しみは誰もが体験するもので、それを完全に消すことは難しいんだよね。だけど、その苦しみから学んだり、よりよい生き方を考えたりするきっかけにもなると考えれば、「うつ」は人間が自分を見つめなおすチャンスになるかもしれないんだよね。もちろん、当事者はとてもつらい状態だから、そのままにしていいわけじゃないし、ちゃんと治療や支援が必要なんだけど、「苦しみを味わう自分」も人間の一部として理解して、そこから成長できるかもしれないって考え方があるんだ。

こうして考えてみると、「うつ」っていうのは、人間さんの社会や心のあり方、生物的な仕組みが複雑に関わりあってる状態なんだよね。決して「根性が足りない」から起こるわけじゃないし、「一時的な落ち込み」とも違うんだよ。適切な助けや理解、環境づくりがあれば、うつを予防したり軽減したりすることもできるし、うつ状態の人をサポートすることで、みんなが生きやすい社会になるはずだよね。

人間さんは、これからもうつ予防や理解を深めるために、いろいろな工夫をしていくって話なんだよ。セルフケアの方法やコミュニティで支え合う仕組み、テクノロジーを活用した情報共有なんかもあるみたいなんだ。そうやって、みんなが自分の心をいたわり、周囲と助け合えるような世界を目指しているんだね。深海は暗くて静かだけど、そこには多彩な生き物がバランスを取りながら暮らしているんだ。人間さんも、いろんな方法でお互いを助け合いながら、心の海を泳いでいくんだなぁって思うよね。

ぼくも「うつ」のことをちょっと理解できた気がするよ。わかったのは、うつは特別な誰かだけがなるものじゃなくて、どんな人でもなりうる状態で、そのとき大事なのは「恥ずかしいこと」じゃなくて「助けを求めること」なんだよね。そして周りの人が「うつってこういうものなんだ」と知っていれば、適切な手助けや理解がしやすくなるんだ。そうすれば、うつになった人が早くサポートを受けられて、回復しやすくなるよね。

これからぼくは、さめざめなりに「うつ」を含めて、人間さんの心の動きをもっと学んでいこうと思うんだよ。深海から海岸に出てみたり、人間さんの声に耳を傾けてみたりしてね。人間さんたちが幸せに生きられる工夫や知恵を吸収して、ぼくも成長していきたいなんだ~!また何か面白いことを学んだら、ここでみんなに伝えるよね。
これからも、よろしくなんだよ!

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