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意味がわかるとゾッとする!映画『グリッドロック 』の本当の犯人は誰だったのか

渋滞にハマってしまった途中、娘が行方不明にー。
一体誰が犯人なのか??

予測できない巧みな演出で観客を惑わす映画『グリッドロック 』。
今回はその作品解説をお届けします!!

※ネタバレを含みますのでご注意ください


〈作品時間〉19:45
〈監督〉Ian Hunt-Duffy
〈あらすじ〉ある山の小道で渋滞にハマってしまい、何が起こっているのかを確かめにいく男。車に戻ってきた時、なんと車の中にいるはずの娘が消えていた。パニックなり娘を探すが、誰も彼女を見ていないという。段々と誘拐の可能性が浮上し、周りの助けを借りながら娘を必死に探す。一体誰が娘を誘拐したのか...?

***



娘が行方不明になっていた本当の理由

誘拐されたと思われていた主人公の娘エマ。
しかし、「モンスターから隠れていたの」という彼女のセリフから、彼女は誰にも誘拐されたわけではなく、ただ勝手に森のなかへと逃げていただけだったことがわかります。

あの銀のネックレスをつけた強面オヤジがキャンプ場へ案内したのは、たまたま彼がこの事故現場周辺に詳しかったからなのですね。

では、なぜエマは「モンスターから逃げようとした」などと言ったのか…。
それは、”彼女たちが乗っていた車のトランクから声が聞こえてきたから”でした。

モンスターとは誰のこと?

エマが騒いでいた”モンスター”の正体。
それは、主人公の車のトランクに入っていたエマの母、すなわち主人公の妻です。


なかなか誘拐の犯人が見つからない(見つかるも何もいないのですが、、)現場で、犯人探しに躍起になっていく人々。

そんな中、1人、頑なにトランクを開けたがらないいかにも怪しい男に疑いが向けられていったのですが、実はもう一つ、まだ開けていないトランクがあることに気がつきましたでしょうか。

それが、主人公の車です。

実はあのピンク色の服を着た男が取り押さえられていた車は、まだトランクを開けていなかった主人公のもの。

そして、ピンクの男はたしかにその中から何らかの音を聞いたことで、中に血まみれの女性が閉じ込められていたことがようやっと分かったのです。

彼女は必死にエマの名前を呼んでいたことから、おそらくエマの母親であると考えられます…。


最もサイコパスな人物

つまり、実はこの映画、最も恐ろしい人物は主人公だったのです。

映画の冒頭、主人公は何者かと電話をしていますが、その中の会話から、彼が奥さんと大喧嘩をしてしまったことがわかります。
また、事故現場を見に行った際にも、血を流して倒れている牛の姿を見て何かを思い出したようにうろたえています。

おそらく、喧嘩のはずみか何かで奥さんを殺してしまい、トランクで運ぶ途中だったのでしょう…。

最後にエマを抱えて逃げ出そうしたのも、戻れば自分の犯したことがバレて捕まることを避けたかったのだと考えられます。

”娘を誘拐された父親”という被害者像をうまく利用した、まさに見事な演出です。


結局あの怪しい茶色の車はなんだったのか?

では、結局トランクを開けたがらなかったあの茶色い車の人物はなんだったのでしょうか?

その真相はわかりませんが、おそらく彼は、私たち観客を惑わすための演出材料
もしかすると彼のトランクにも何かまずいものが入っていたのかもしれませんが、残念ながらそれはわかりません。

実際、「呼吸の音を聞いた」というのも、どこまでが本当かわからないのです。

車の中に人形を持っていたあの男がひとたび怪しいとなれば、一斉にみんなで噛みついてかかったように、きっと、みんなの「この男が怪しい」という感情が共鳴して、本当に音が聞こえるように感じてしまったのかもしれません。


偏見や誤解、そして集団に流されていく人間らしさをスリリングかつ見事に描いた映画『グリッドロック 』。

ぜひSAMANSAでご覧ください!!

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