深夜3時のシンデレラ《詩》
初雪の十条駅の改札を出る
階段を駆け上げると雪がさらさら舞っている
最終電車がひっそり車庫に入っていく
私は一人楽しくふわふわ歩く
キラキラな雪に釣られいつもと違う道を進む
深夜1時の見たことのない街と空
雪を仰いで心が躍り跳ねる
つま先がジンジンしてヒールを脱ぐ
いつの間にか目の前が雨に変わってる
いつもの道へ戻れない深夜3時の私
ビショビショに濡れても構わない
雨は私を優しく綺麗に整える
目頭をつたう涙に負けそうになる
躓き転んでバッグが手からこぼれる
目の前に見たことのあるスニーカーが見えた
優しいしなやかな手が私をそっと引き寄せた
彼のコートの温もりで涙がこぼれた
ごめんなさい ありがとう
やっと会えた